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 論文集抄録
  

論文集抄録

〈Vol.42 No3(2006年3月)〉

論 文 集 (定 価) (本体1,660円+税)

年間購読料 (会 員) 6,300円 (税込み)

  〃   (会員外) 8,820円 (税込み)


タイトル一覧

[論  文]

[ショート・ペーパー]


[論  文]

■ 2次元長さと角度の高精度測定技術とトレーサビリティーの研究

多摩川精機・小島隆臣,関 重夫,信州大・脇若弘之

 本論文はディスクの精度測定のための,新たな2次元長さ測定原理と角度標準体系における角度計測技術に関して述べた.2次元長さ計測技術は,150mmの4角領域を0.1μmの精度で長さを2次元的に計測する手法である.また,角度センサとディスクの角度精度を高精度に計測する装置の開発を行った.この角度校正装置の性能は,分解能0.001秒,再現性0.004秒の高精度なものである.角度センサやディスクの精度を高精度に計測評価することが可能となった.


■ 適応アルゴリズム並びに比較モデルに基づいた離散時間モデル予測制御

京大・金 泰亨,電通大・福島宏明,京大・杉江俊治

 本研究では,線形時不変な離散時間システムに対して適応モデル予測制御アルゴリズムを提案する.これは比較モデルに基づいたロバストモデル予測制御とモデル予測制御に適合した新たなパラメータ推定則に基づいて構成される.この手法は各サンプル時刻ごとにオンラインで未知パラメータの推定を行い,不確かなパラメータをもつ制御対象の拘束条件が満たされるような制御入力を求める.本論文では,初めに moving horizon estimation に基づき,予測区間上で推定誤差の最悪値の上界が予測できる新たなパラメータの推定則を示す.つぎに,時変な推定誤差が取り扱えるように比較モデルを拡張し,それに基づいたロバストモデル予測制御と上記のパラメータ推定則を組み合わせて構成される適応モデル予測制御に関して考察する。さらに,比較モデルを導入することにより,不確かなパラメータを含まない最適制御問題に基づいた設計アルゴリズムとなることを示す.最後に,ある仮定の下で実システムの安定性が保証されることを示し,シミュレーションによって提案法の有効性を検証する.


■ 配位多様体におけるアファイン拘束の理論的解析−Part I:アファイン拘束の可積分・非可積分条件と配位多様体の葉層構造−

阪大・甲斐健也,理化学研・木村英紀

 非ホロノミックシステムの研究において扱われている拘束条件は,速度に線形である「線形拘束」がほとんどである.しかし,初期角運動量をもつ宇宙ロボット・回転盤上の球などに代表される,速度にアファインである「アファイン拘束」も実際に存在し,これらの研究はこれまでほとんど行われてこなかった.
 本論文は配位多様体上で定義されるアファイン拘束を扱った一連の論文の第1論文であり,おもにアファイン拘束の微分幾何学的な解析に焦点を当てた.まず,アファイン拘束やそれに関連する諸概念を定義し,アファイン拘束の幾何学的表現とその性質を示した.つぎに,アファイン拘束が完全可積分・部分非可積分・完全非可積分のそれぞれの場合となるための必要十分条件を導き,ある分布の計算によって,上記のどの場合になるかが判定できることを示した.そして,そのそれぞれの3つの場合において,アファイン拘束の積分多様体によって配位多様体がどのような葉層構造に分かれるか,また接空間におけるアファインベクトル場と分布の関係などについて解析を行った.特に,従来行われてきた線形拘束の研究では知られていなかった,時間と共に変化するような時変的葉層構造の存在を示すことができた.


■ 配位多様体におけるアファイン拘束の理論的解析:−Part II:アファイン拘束を受ける運動学的非対称アファインシステムの可到達性−

阪大・甲斐健也,理化学研・木村英紀

 本論文は配位多様体上で定義されるアファイン拘束を扱った一連の論文の第2論文であり,おもにアファイン拘束を受ける運動学的非対称アファインシステムの非線形制御論的な解析に焦点を当てた.
 まず,アファイン拘束と設計された制御入力から一意に運動学的非対称アファインシステムが求められ,さらに特別な性質をもつ,アファイン拘束の幾何学的表現に関するベクトルが得られることを示した.つぎに,アファイン拘束が完全可積分・部分非可積分・完全非可積分となるそれぞれの場合の配位多様体の葉層構造において,運動学的非対称アファインシステムの可到達集合がどのように分布しているかについて解析を行った.そして,その結果により運動学的非対称アファインシステムが局所可到達・局所強可到達となるための必要十分条件を導出した.特に,アファイン拘束の中に1つだけ可積分なものがあっても運動学的非対称アファインシステムが局所可到達となる場合がある,アファイン拘束の完全非可積分性と運動学的非対称アファインシステムの局所強可到達性が等価である,という2つの新しい事実が明らかになった.最後にいくつかの物理的・工学的例を示し,これらに対して本論文で得られた結果を用いて解析を行った.


■ 空間分割による未知入力系の推定機構と外乱抑制

名工大・不破勝彦,豊田工大・成清辰生
     名工大・石田 真,神藤 久

 未知入力オブザーバとは,制御器の故障や入力信号系統の断線などなんらかの理由で制御入力からの情報が得られない場合においても,観測出力からの情報のみで制御対象の状態変数を推定することができる機構である.このオブザーバの存在条件の1つに制御対象は不安定な不変零点をもたないことが課せられており,このことが有用性に対して大きな阻害要因となっている.本稿では,制御に用いることを前提として,不安定な不変零点を有する制御対象に対し,不確定な入力が存在しても近似的に状態変数が推定できるオブザーバを提案する.基本的な考え方は,オブザーバにおいて可制御部分空間と不可制御部分空間に分割するようなオブザーバゲイン行列を設計し,安定な不変零点はオブザーバの不可制御部分空間の極として配置し,入力が印加される可制御部分空間では,できるだけ入力の影響が状態変数の推定誤差に現れないようにその極を決定することである.また,提案するオブザーバと外乱推定器との併合系を構成して,有界かつ十分に滑らかな性質を有する入力外乱の抑制効果を数値例により示し,提案するオブザーバの有効性を確認する.


■ Existance Conditions of a Common Quadratic Lyapunov Function for a Set of Second-Order Systems

Kyoto Inst. of Tech.・Thang Viet NGUYEN,
Takehiro MORI, Yoshihiro MORI

本論文は2次元連続時間線形時不変システムの集合が共通2次リヤプノフ関数をもつための必要十分条件を導出する.最初の条件はリアプノフ行列不等式を2つの限定記号変数を含むより簡単な代数不等式に変換する.つぎに,2次リヤプノフ不等式の共通対角行列解集合が凸である性質とHellyの定理により,2つの2次元システムのリヤプノフ関数の存在条件は2次元システムの集合の存在条件に拡張される.この問題は1つの変数を含む代数不等式に帰着される.得られた結果は問題をQE(限定記号消去)アプローチ応用可能にせしめる.得られた結果の応用のいくつの例が示される.


■ 過渡応答を考慮した適応ロバスト非線形位置決め制御器の階層的構築

九州大・楊 子江,光安 隆,金江春植,和田 清

 稼働中の制御システムのデータから,予見しにくい事後的パラメータ変動,モデリング誤差や外乱をオンラインで同定しながら制御器を適応調整するという適応制御の実用化は強く望まれている.しかし,現実に産業界においては,適応制御はまだ十分に認められ,確立された制御技術であるとはいいがたい.本論文は,著者らのこれまでの研究で得た知見に基づき,一般的な一入出力非線形メカニカルシステムに対して,(過渡特性,制御誤差のバウンドなどの点で)理論的保証があり,しかも現場での調整指針が明確であるという実用的な適応制御手法の確立を目的とする.
 制御器はバックステッピング手法により設計される.まず,モデリング誤差などで生じた速度誤差による位置誤差を除去するために,PI制御を用いた仮想速度入力を設計する.つぎに,速度誤差を安定化するため,適応ロバスト非線形制御器の設計を行う.これは,まずロバスト制御機構によって制御系の過渡特性と制御誤差バウンドを理論的に保証した上で,制御誤差をさらに減少するために,適応機構を用いるという適応ロバスト制御器である.さらに,一見複雑そうな適応ロバスト非線形位置決め制御器が,従来のマイナーループをもつPI制御器に,フィードフォワードモジュール,ロバストモジュール,適応モジュールなどを階層的に加えて行くことによって得られることを示す.このような階層的モジュール化構成によって,それぞれの環境で要求される性能と現場担当者の理解力に応じて,従来の位置決め制御系に対して,各モジュールを適宜増減するだけで,多種の生産環境に柔軟に対応できるので,調整指針が明確であり,現場で受け入れられやすいものと思われる.



■ 汎化行為概念の適応的獲得−双シェマモデルベースの強化学習−

京大・谷口忠大,椹木哲夫

 本論文において,われわれは汎化行為概念を獲得するための強化学習機構を提案する.汎化行為概念とは異なる環境下においても再利用可能な行為概念のことである.強化学習は自律ロボットに報酬を頼りに新たな行為を獲得させるための手法である.しかしながら,強化学習を通して獲得された行為概念はそれを学習したものとは別の環境,対象に対しては利用することができない.しかし,われわれ人間は異なる環境下においても同型な行為を発現することができる.この能力はJ. Piagetが提唱したシェマ系(schema system)のような,分散的な記憶構造によるものだと考えられる.われわれはこのような考えから双シェマモデルというモジュール型学習機構を提唱してきた.本稿でわれわれは双シェマモデルに強化学習の機構を導入する.これにより,自律ロボットは汎化行為概念を適応的に獲得することができるようになる.また,実験を通して,従来の強化学習手法と比べて双シェマモデルを実装した自律ロボットが環境変化に対して柔軟に適応することを示す.


■ 追従物体への速度・加速度制約,液面振動抑制を考慮した移動物体への自動位置検出とトラッキング制御システム

豊橋技科大・野田善之,矢野賢一,寺嶋一彦

 現在,鋳造産業における注湯工程において,製品品質向上,および生産性向上を目的に移動している鋳型へ追従して注湯する自走式自動注湯ロボットの開発が進められている.このロボットにおいて,自動注湯ロボットを搬送させる際に,取鍋内の溶湯が液面振動を発生し,溢流や製品品質を悪化させる原因となる.また,移動している鋳型ラインへ鋳型を搭載する際に鋳型の位置ずれが生じることや鋳型内湯口の位置設計自由度向上が求められている.これらの問題を解決するために,液面振動を抑制した中で,移動物体内の目標位置を自動検出し,追従する制御システムを提案する.また,追従物体の装置保護として,追従物体の速度・加速度制約を考慮した追従制御系を提案する.提案制御系は以前に著者が提案した液面振動抑制を考慮した移動物体への追従制御系の追従物体側にレーザセンサを取付け,移動物体の特徴部位を検出して,その位置に追従するリファレンスを生成するリファレンス生成器を構築する.また,そのリファレンス生成器に状態予測式を導入することで,追従物体の状態制約を考慮させるが可能となる.提案した制御系を液体搬送システムへ適用し,制御仕様に対して有効性を確認する.


■ マニピュレータにおける学習制御と適応制御の融合

福井大・仲田純人,浪花智英

 本研究では,ロボットマニピュレータで理想の運動を実現する制御入力を効率良く獲得するために,学習制御と適応制御を融合させた制御則を提案する.マニピュレータの制御則において学習と適応を融合させた研究の中に,Dawsonらの提案したRepetitive ControlとModel-Based適応制御を組み合わせた制御則がある.この学習適応制御則は運動を始めたばかりで十分に運動の繰返しが行われていない状況では適応制御の働きによって理想軌道への追従誤差を減らす.また十分に繰返し運動が行われた後では,学習制御の働きによって理想軌道への追従誤差がより小さくなるような制御を行うことが可能となっている.しかし,Dawsonらの制御則は安定化のための条件式が多く,選択できる制御則のゲインの範囲が狭かった.そこで,本研究ではDawsonらの制御則をもとに新たに制御則を作成した.本論文の中では新しく作成した学習適応制御則について述べるとともに,新しく提案する制御則の漸近安定性をリアプノフ法に基づいて証明を行う.また,2リンクマニピュレータによるシミュレーション結果を示すことで,新しい制御則とDawsonらの制御則の比較を行い,新しく提案した制御則の有効性について検証する.


■ ランキング処理とノード関数最適化を考慮したGenetic Network Programmingによるエレベータ群管理システム

早稲田大・江口 徹,周 金,平澤宏太郎,古月敬之
   フジテック・マルコン シャンドル

 有向グラフ構造の遺伝子を有する進化型計算手法として提案・検討されてきたGenetic Network Programming (GNP)をエレベータ群管理システム(Elevator Group Supervisory Control System:EGSCS)に導入する研究が進められている.EGSCSは確率的最適制御問題であり,ビルやシステムの仕様,交通量など多様な条件に対応しうる柔軟な群管理システムの構築は重要な課題である.従来検討では適切なエレベータIDを判定するノード関数を定義し,これにより群管理制御を行っていたが,この手法ではエレベータの判定を行うのみで,IDの引数処理を行わないために進化が非効率であり,生成される群管理ルールの一般性に欠ける.また設計者が定義したノード関数を用いるため,多様な条件に対して判定ノードの柔軟性が乏しくなる問題点がある.
 本論文では上記問題点を解消するため,各種の評価項目によるエレベータのランキング処理と実数値GAによるノードパラメータの最適化を導入した新しいGNPによるEGSCSを提案する.シミュレーションでは多様な条件に対して進化させたGNPの性能評価により,提案手法が従来手法よりも性能が改善することを明らかにしている.


■ 静圧軸受を用いた空気圧サーボテーブルシステムにおける空気消費量の考察

東工大・宮島隆至,東京電機大・藤田壽憲
     東工大・川嶋健嗣,香川利春,住友重機械・榊 和敏

 近年,電動式精密位置決め装置においてモータからの発熱や磁場の発生が問題となっている.そこで,発熱および磁場の発生のほとんどない空気圧を用いた静圧軸受式サーボテーブルが開発された.
 本システムに対して,省エネルギの観点から空気消費量の把握に対する要求がある.しかし,本システムでは駆動に伴い大きな流量変動が発生するためこれまで正確な流量計測が困難であった.
 そこで本研究では50[Hz]以上の応答性が保証されている層流型流量センサを用いてシステムの空気消費量を計測し,駆動条件との関係を調べた.その結果,同一到達時間・移動距離において,駆動条件を変えることで空気消費量の削減が可能であることが明らかになった.
 また,線形系と仮定した解析結果と実験結果を比較した結果,実験において空気流量の応答が振動的になっていることがわかった.この振動の原因を解明するためにシステムの非線形性について厳密に考慮したシミュレーションモデルを構築し,その原因がサーボ弁の特性にあることを突き止めた.



[ショート・ペーパー]

■ 原子炉用超音波流量計の測定の高精度化(第一報)−立体三重曲り配管の影響−

産総研・佐藤浩志,寺尾吉哉,高本正樹
     東京電力・山内祐樹,日立製作所・長谷川 真

 超音波流量計は,原子力発電所の給水流量計としてで現在利用されているフローノズルやオリフィスメータの代替として注目されている.本論文は、外付け型超音波流量計を用いて,流量計の上流側配管条件の影響について検討した第一報を報告する.


copyright © 2005 (社)計測自動制御学会