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 論文集抄録
  

論文集抄録

〈Vol.46 No.10(2010年10月)〉

論 文 集 (定 価) (本体1,660円+税)

年間購読料 (会 員) 6,300円 (税込み)

  〃   (会員外) 8,820円 (税込み)


タイトル一覧

[論  文]


[論  文]

■ スリット光の変調による相互反射と表面下散乱に頑健な三次元形状計測

大阪大学・古瀬達彦,広島市立大学・日浦慎作,
     大阪大学・佐藤宏介

 本研究ではスリット位置の正確な検出を妨げる表面下散乱や相互反射の影響を抑制することで,精度よく三次元形状を計測することができる手法を提案する.このために,通常のスリット光のかわりにM系列で変調したスリット光を用い,パターンをスリットに沿う方向にシフトしながら複数回撮影を行う.この画像に対しエピポーラ拘束を利用した相関演算を行うことで相互反射の影響を抑制する.また表面下散乱は空間周波数における高周波成分が減衰するため,同様に相関演算によりこれを抑制することができる.実験により,これらによる悪影響が通常のスリット光投影法より抑制されていることを確認した.


■ モデル予測制御システムにおけるモデルとプロセスのミスマッチ検出

京都大学・信貴洋平,加納 学,長谷部伸治

 プロセス制御技術者が指摘する重要な課題としてモデル予測制御の保守がある.制御性能の劣化がプロセス特性の変化に起因することが多いため,モデル再構築を効率的に実施することが成功の鍵となる.このとき,モデル全体を再構築する必要がないことは明らかであり,重大なミスマッチを有するサブモデルを特定し,そのサブモデルのみを再構築すればよい.本研究では,統計的検定を利用して日常の閉ループ運転データから重大なミスマッチを検出する方法を提案する.さらに,蒸留プロセスと反応プロセスのケーススタディを通して,提案法の有用性を示す.適用結果から,提案法が重大なミスマッチを有するサブモデルを検出できるだけでなく,多変量解析に基づく他の方法よりも優れていることが確かめられた.


■ スケール変換を介した連続極限解析による大規模カスケードシステムの低次元化

東京工業大学・石崎孝幸,加嶋健司,井村順一

 本論文では,あるクラスの高次カスケードシステムに対するモデル低次元化手法を提案する.本手法では,対象とするシステムの入出力特性が,ある連続極限において,偏微分方程式で記述される拡散システムに漸近するという性質を利用している.これにより,得られる低次元モデルは,システムが本質的に有する拡散構造と安定性を保存している.さらに,本手法による低次元化誤差の上界は解析的に与えられる.


■ 動的補償器による多様体上の非線形制御系の大域漸近安定化

島根大学・都築卓有規,北海道大学・山下 裕

 本論文では Riemann 多様体上の非線形制御系の大域漸近安定化問題を扱う.非ユークリッド空間上の制御系については,一般には連続制御則では大域漸近安定化不可能であることが知られている.そのため,本研究では動的補償器を用いることでその問題点を解決し,連続制御則による大域漸近安定化法を提案する.つぎに,入力アファイン系について,その方法を制御 Lyapunov 関数を用いて再構成する.さらに,入力係数行列が状態の次元以上の場合の制御 Lyapunov 関数の構成法を提案する.


■ 球体ロボットの接地点軌跡を利用した最適軌道計画

神戸大学・浦久保孝光,情報通信研究機構・前川 聡,
     神戸大学・上田哲也,玉置 久

 開発中の球体ロボットは,水平面上を転がると同時に鉛直軸周りに姿勢を回転させることができる.この特性を活かせば,並進運動の軌跡を指定するとともに,球体の3次元姿勢を制御することが可能である.本論文では,球体が目標位置まで直線運動する間に3次元姿勢を目標姿勢に変更する軌道計画問題を考え,さらに,このときの鉛直軸周りの角速度を最小化する最適軌道計画を行う.まず,この問題が球面上の接地点軌跡を計画する問題に読み替え可能であることを指摘し,読み替え後の問題に対して,解軌道のパラメータ表現を導入して,近似解を求める.極座標モデル,射影モデルによる2種類のパラメータ表現に対して,準ニュートン法によって解を求め,得られた解の精度,各モデルの特徴について比較し考察を行う.


■ 近接・触・すべり覚を統合したインテリジェントロボットハンドの開発

電気通信大学・溝口善智,大阪大学・多田隈建二郎,
     電気通信大学・長谷川浩章,明 愛国,
     東京大学・石川正俊,電気通信大学・下条 誠

 これまでにわれわれは,面状近接覚センサ,触・すべり覚センサを開発してきた.これらのセンサは,配線は6本以下である省配線性と,応答速度が1ms 以内の高速応答性を有する.本研究では,これら近接覚・触覚・すべり覚センサ群をロボットハンドに統合することで,近接から接触までをシームレスに検出し,安全・確実な把持の達成,把持・運搬・設置工程において滑り情報による適切な把持力制御可能なロボットハンドの提案を行った.
 ハンドを用いた実際的なタスクとして,Pick&Place タスクを取り上げ,1) 重量/摩擦条件が未知,2) 設置誤差が存在,という条件下において実現することに成功し,センサ群が必ずしも豊富で高精度な情報を提供しなくても適切に用いることによって十分に有効である可能性を示した.


 
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