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 論文集抄録
  

論文集抄録

〈Vol.47 No.3(2011年3月)〉

論 文 集 (定 価) (本体1,660円+税)

年間購読料 (会 員) 6,300円 (税込み)

  〃   (会員外) 8,820円 (税込み)


タイトル一覧

[論  文]


[論  文]

■ 環境磁場に基づいた移動ロボットの自律走行

宇都宮大学・Samann Rahok,鹿内佳人,尾崎功一

 自律移動ロボットが,実環境内で行動するためには移動のためのナビゲーションと自己位置推定が必要不可欠である.我々は,環境に左右されないロバストなナビゲーションを実現するために,環境中のあらゆる所に存在する環境磁場に着目した.環境磁場は,一般的には方位として用いられる地磁気の他に,環境中に存在する強磁性体による磁場の影響も受ける.そこで,本提案手法では,ロボットは搭載した3軸の磁気センサにより事前に径路内を走行し計測した環境磁場の各軸成分を磁気マップとして記録する.自律移動の際には,磁気マップに記録された径路を辿り移動することにより,ナビゲーションを実現す
ることができる.また,磁気マップは環境磁場の他にオドメトリに基づくため,オドメトリの累積誤差の対策として自己位置同定が必要であるが,環境中の強磁性体による特徴的な磁場のパターンを磁気マップに記録しマッチングすることで,自己位置を推定しオドメトリの誤差を解消することが可能である.本提案手法の有用性を検証するために,走行実験を行い磁気マップに基づくナビゲーションと自己位置同定を評価するとともに,一般の生活環境である公園内の遊歩道において公開実験を行い,その有効性を確認した.


■ メカトロニクス設計教育のための教材と教育プログラム開発

大阪電気通信大学・入部正継,白旗 晃規廣,喜多洋允,佐々重 陽祐,太才遼一

 従来型のメカトロニクス教育プログラムでは「創造性」と「システムインテグレーション」の概念を体験することを意識している.しかし,これら従来型教育プログラムの意識している点とは異なった「実際の設計時のパラメータ変動と物理現象の相関」を体験し、それらの法則を感覚的にかつ試行錯誤によって理解するということも重要である.また,同様に「計測した結果を解析し,それをもとに思考して原理を想定し,問題対策方法を立案・実施し,実際に対応する」という『問題解決プロセスの実施能力』も重要である。そこで本稿では,『物理的な現象に関する理解』と『問題解決プロセスの実施能力の習得』という2つを目的とした体験学習プログラムと,そのための教材として開発した四輪移動体組立キットと実習環境を紹介する.そして,その学習プログラムを大学一年次の学生へ適用した時の実施結果とその教育効果について報告する.


■ 時変の経路に対するポート・ハミルトン系の経路追従制御

名古屋大学・谷口 充,,藤本健治

 ロボットや車両系などのシステムの制御において,システムの動く軌跡を所望のものにする制御は広く行われている.こうした制御は,目標点に制御対象を追従させる軌道追従制御と制御対象の動いた軌跡を目標経路に近づける経路追従制御に大別される.経路追従制御は,制御対象の各時刻における状態より,システムの動いた軌跡が目標経路にどれだけ近いかが重要な問題に適している.経路追従制御の研究はさまざまにされており,筆者らもこれまでに摩擦のない全駆動系および非ホロノミックな速度拘束をもつハミルトン系に対する制御手法を提案した.しかし,これらの提案手法は自身と交わる目標経路を追従させることが不可能または困難である.そこで,本論文では摩擦のある全駆動系および非ホロノミックな速度拘束をもつハミルトン系に対して,時変の経路を追従させる手法を提案する.この時変の経路は,任意の時刻で自身と交わらない目標経路の部分集合として与え,時変の経路を追従させることで自身と交わる目標経路を追従させることができる.また,制御対象の速度を時変の経路に平行な速度と時変の経路に近づく速度とそれ以外の3方向の速度成分に分解し,各速度を独立に制御することにより時変の経路を
追従する速度を系の状態と時間の関数として指定する.


■ ファジィ理論に基づいた活性化Al微粒子と水との反応による水素生成の制御

福岡工業大学・前川 孝司, 高原 健爾, 梶原 寿了,ハイドロデバイス・渡辺 正夫

 本論文では,活性化Al(アルミニウム)微粒子と水との反応によって,所望の水素生成量を得るためにファジィ理論に基づいた制御系を設計した.その制御系は,特性の異なる数種類の水素生成特性を基に構築したメンバーシップ関数とファジー制御器で構成されており,反応器内に追加する活性化Al微粒子の量およびそのタイミングを決定する.活性化Al微粒子を反応器内に加えることが出来る装置を開発し,制御システムを実装・構築した.特性の異なる3種類の試料を混合しても反応特性の違いに対応して,所望の水素生成量を実現することができた.また目標値を線形および二次関数的に増加するように設定した場合でも,それぞれ実測値と目標値がほぼ一致した.したがって,設計した制御システムは,活性化Al微粒子と水との反応による水素生成量の制御に有効であることを確認した.


■ 炒め調理における関心領域の時系列温度計測

慶應義塾大学・中澤 満,味の素・赤坂梨絵,笠松千夏,慶應義塾大学・青木義満

 調理科学分野において、加熱がおいしさにつながる風味に寄与することが知られている。温度を測定する機器として熱電対温度計が挙げられるが、炒め調理のように動きがある場合、温度変化の把握は困難であった。そこで我々は、赤外線サーモグラフィ・可視カメラを用いて、非接触で食材・鍋領域といった関心領域の時系列平均温度を計測するシステムを提案する。


 
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