計測と制御 2001年10月号

VOL.40 2001

特集「適応・学習制御システムの新展開」

モデル規範型適応制御系(MRACS)の設計論は既に体系化されて久しいが,従来型のMRACSを設計するためには,制御対象に対して種々の理想的な仮定を満たす必要があり,産業界において実用例に基づく一応の成果はあるものの,十分に確立された手法と言えるまでには至っていない.一方で,日本における適応制御の研究は,多くがMRACS中心の研究が行われてきたため,適応制御系の設計理論がMRACSのみであると認識している読者も多い.そこで,本特集号では,適応制御系として,MRACSの発展した姿についていくつか(間接法,非線形適応H∞制御系)の解説をし,MRACS以外の適応制御系設計法のいくつか(二元予測制御,セルフチューニング方式,部分的適応制御,ハイゲイン適応制御,簡単化適応制御(SAC))を紹介する.また,適応機構と関連の深い学習機構について現在の研究動向を解説していただく(自然勾配学習法,トレーニング法,GAの制御システムへの応用,強化学習(QL)).以上の記事により,SICE会員諸氏に広く適応・学習機構を含む制御システムについての現状と展望を紹介することを目的とする.

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