計測と制御 2003年2月号

VOL.42 2003

ミニ特集「制御理論における未解決問題」

 20世紀において制御理論は飛躍的発展を遂げた.その歴史を振返るとき,新たな理論の展開,研究熱の高まりは,広い見識に基づく問題意識と,解くのが困難な問題の求解によるものであったといえる.そしてこれまで考えられてきた制御問題の中には,いまだ完全に解かれていない問題も多くあり,その解決は21世紀に持ち越されている.こういった未解決問題は,それ自身が制御理論の根元的な問題を具現化しているといえる.21世紀の初頭に,一度,制御理論で有名な未解決問題を振り返り,それを理解することにより,単に制御工学への理解を深めるだけでなく,制御工学が今後展開していく方向性をも示唆してくれることが期待される.同様の企画が,CDC98の特別セッションとして,また同セッションに先だって同じオーガナイザーから,未解決問題を集めた本が出版されている.  各分野の第一線で研究されておられる研究者5〜6名程度に,各分野における未解決問題,もしくは上記セッション等で紹介された問題等を選択していただき,問題の解説を中心に,さらにその先にある将来的方向性を解説していただく.おもな読者対象は,大学,研究所,企業の研究部門における比較的若手の研究者とする.問題の解説に力点が置かれ難解なることがなく,学生が読んでみずから解決する意欲が湧くような企画にしたい.また,文献検索の手引きとなるような文献情報集としても活用できるようにしたい.

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