計測と制御 2003年5月号

VOL.42 2003

特集「脳機能の非侵襲計測」

 今から10年前の1992年のVol.31, No.2号において,「脳・感覚機能の無侵襲計測」というミニ特集が組まれた.それから10年間の間に,脳機能計測の分野では,fMRIの登場,脳磁図計測におけるSQUID磁束計のマルチチャネル化,近赤外光による光トポグラフィの実用化など,計測手法のハード,ソフト面において格段の進歩を遂げている.近年,非侵襲脳機能計測として用いられている手法として,fMRI,PET,脳磁図,脳波,近赤外光計測が挙げられ,これらの手法を用いて脳機能計測がいろいろな分野で盛んに行われている.しかし,それぞれ単体としての脳機能計測では十分ではなく,複数の手法を組み合わせたマルチモダリティの必要性がいわれている.このため,複数の手法に関してその原理や特徴を理解する必要があるが,それぞれの手法は,ベースとなっている技術分野が異なっており,まとまった解説がなかなかないのが現状である.今回の特集では,これらマルチモダリティの非侵襲脳機能計測法に関して,基礎から脳機能計測の応用までとりあげ,それぞれの原理や特徴,応用分野が理解できるように構成し,非侵襲脳機能研究の概観が展望できるようにすることが目標である.

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