計測と制御 2004年1月号

VOL.43 2004



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特集「小説・漫画・映画に登場した先端科学技術」

 1985年に坂村 健著『電脳都市』(冬樹社)が発行された.コンピュータの登場するSFをネタに,現実のコンピュータ技術やその展望を紹介するという画期的なSFと科学技術の解説書であった.デイヴィッド・G・ストーク編日暮雅通監訳『HAL伝説2001年コンピュータの夢と現実』(早川書房,1997年発行,原著は1996年発行)は,映画『2001宇宙の旅』に登場した1969年当時の技術予測を専門家の目で検証した.映画『2001宇宙の旅』の技術予測を越えて発展した技術もあれば,全く無茶な予測と思われるものもある.しかし,現在の情報工学の発展に,映画に登場したコンピュータHAL が現実の技術に影響を与えたことは確実であろう.1998年度から2000年度まで,筑波大学にて開講された星野 力教授(当時)による講義「科学技術とSF」は,SFに登場した科学技術上のトピックを研究者が解説するという画期的な講義であった.2000年発行の金子隆一著『新世紀未来科学』(八幡書店)は,SFに登場した想像上の先端科学技術が後に実現された・されつつある例が多数紹介されている.  これらの先行する科学技術解説を発展させ,特集「小説・漫画・映画に登場した先端技術」では,小説・漫画・映画等のエンタテイメント作品に登場した先端技術について,技術専門家の目で見たその新規性・重要性・技術的問題点・現実の技術への影響等の評価を提供する.また,先端科学技術が登場するエンタテイメント作品と作品中での科学技術の扱われ方を紹介し,技術者の教養としてのエンタテイメント作品を紹介する.サイエンス・ライターの金子隆一先生をゲスト・エディターに,福江 純大阪教育大学教授,作家の瀬名秀明先生,産業技術総合研から吉見 隆主任研究員,阪口 健主任研究員をアドバイザーに迎えて,企画を構成し,各分野のトップレベルの専門家に寄稿いただいて,特集号はできあがった.

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