計測と制御 2004年4月号

VOL.43 2004

特集「音の計測と処理」

 音はわれわれ人間にとって,最も根源的なコミュニケーションメディアである.人が発する音,すなわち音声は,言語,ひいては知能を育むゆりかごである.人はまた鳥のさえずりや楽音に癒され,あるいは自動車の航空機の騒音に悩まされる.人は常にさまざまな音に囲まれている.豊かなコミュニケーションや快適な生活を実現するために,われわれは音を知り,音を的確に操る必要がある.
 最も身近な音は,われわれが耳にする空気の振動波としての音である.しかしながら,耳に聞こえない音や観るための音もある.可聴音より高い周波数の音,超音波までも活用することにより,音を用いるわれわれの生活はいっそう豊かなものとなる.
 本特集は,人間の音を聞き取るメカニズムや発音のメカニズムなどの分析,測定など,音に関する基礎の解説から始まり,騒音測定・制御,公共空間における音場設計,ホール音響などの音響空間に関する話題の解説,宿命的に重なり合って伝播する音信号を音源ごとに分離抽出するための最新技術,さらには超音波利用技術などの工学的利用の実際に至る解説を網羅的に行うものである.執筆陣には,それぞれの分野の国際的第一線で活躍中の先生方をお迎えしている.基礎研究の分野では最新の研究動向を踏まえたわかりやすい解説を行い,事例紹介では音楽から通信,医療,さらには海洋探査に至る広範囲かつ最前線の実用状況を紹介する.


☝ 学会誌「計測と制御」に戻る |☜ 前号へ |次号へ ☞

Copyright © 2000-2004 (社)計測自動制御学会