計測と制御 2007年7月号

VOL. 46, 2007

特集「変種変量生産を支えるシステム技術」

製造分野での設計・製造現場では,セル生産やデジタル屋台に代表される新生産システム,コンカレント・エンジニアリングのためのインテリジェントなCADシステム,物流管理におけるICタグの導入,自動化工場でのモニタリング・システムなど,革新的な管理方式・計測制御技術(以下,広い意味で「システム技術」)が導入されている.
一方,企業経営の観点からは,俊敏な納期回答,顧客満足度の向上にともなう市場ニーズの品種と量の変動に即応するためのモノづくりをするために,変種変量生産体制への移行がきわめて重要となってきている.変種変量生産の実現を考える場合,生産システムの自由度向上,革新的な管理技法の開発のみならず,生産方式の見直し,設計から製造に至るプロセスの効率化,上・下流企業を含めたサプライ・チェーン全体の最適化など,トータルな視点からの(抜本的)改革が要求されることとなる.
変種変量生産の代名詞ともいえる多能工セル生産や国内一貫生産などは,いわば工業立国日本のお家芸といっても過言ではない.このような(ある意味で)ヒト中心型の生産を支援する高度なシステム技術を幅広く見ておくことは,今後のシステム工学研究のさらなる活性化・発展につながると思われる.そこで本特集号では,昨今の製造分野で用いられている革新的なシステム技術を,「変種変量生産」を基軸として俯瞰的に紹介する.生産関連のシステム技術を広い視野で眺め,今後の研究・開発の役立てるという意味で,若手・中堅の研究者および技術者を対象とした解説・事例紹介を企画する.企画にあたっては,変種変量生産のためのシステム技術の紹介を重視したい.



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