計測と制御 2010年 10月号

VOL. 49, 2010

特集「安全性確保のための評価技術と計測・標準」

社会全体としてはずいぶん安全になったものの,安全性に対する人々の要求はますます増大している.安全性を「受け入れられないリスクがないこと」と置き換えると,安全性を確保するためにはリスクをできるだけ定量的に評価し,それが受け入れられないレベルよりも低いことをわかりやすく示す必要がある.個別のリスクレベルが低下してくると,扱う対象も,目に見えるような被害から,目に見えない不安に移行し,正確な計測や,評価技術の標準化・規格化の重要性が増してくる.近年は,リスク評価の対象も,以前から実施されている化学物質や放射性物質から,ナノ材料,食品、消費者製品,機械,プラント、システム,ソフトウェア,新規技術などにますます拡大しつつある.本特集では,社会の安全・安心を確保するために,正確な計測に基づいたリスク評価・管理・標準化の手法やそれらの適用事例を扱った解説・紹介を集めた.これらを通して眺めると,20世紀型の安全から21世紀型の新しい安全のあるべき姿が浮かび上がるのではないだろうか.

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