計測と制御 2012年 7月号

VOL. 51, 2012

特集「ロボット・セラピー」

本格的な高齢社会を迎えるに伴い,社会福祉におけるロボットの応用への期待が高まり,生活支援ロボットが注目され始めている.その流れのひとつにロボット・セラピーがある.アニマル・セラピーにおける動物の代わりに,パロやAIBOなどをペット型ロボットとして用いるというのがロボット・セラピーの発想である.アニマル・セラピーの歴史は古く,欧米では広く実践されているが,日本においては感染症などの問題のため,医療機関への導入は今一歩である.ロボット・セラピーには,アニマル・セラピーで問題となる感染症,動物のストレスの心配がない,新しいロボット産業の創生などの利点があると考えられる.また,セラピーのシナリオを考えると,アニマル・セラピーが個々の動物ごとの訓練が必要なのに比べ,ロボット・セラピーではプログラムにより様々な状況に対応できる.ロボット・セラピーはプログラム可能であるという特長を生かし,セラピーに適した動作,シナリオを実現しつつ,単に動物をロボットに代替したものではなく,アニマル・セラピーとは異なる独自の発展を遂げている.本企画では多くの事例を通じて,これまでのロボット・セラピーの経緯を報告するとともに,今後の展開を異分野からの寄稿を交え紹介する.

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