計測と制御 2016年 3月号

VOL. 55, 2016

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ミニ特集「診断・判断のためのセンシング・情報分析技術 ―現状と将来への視点―」

 物事の診断・判断には,「情報の獲得(センシング)」と「情報の分析」の2段階のプロセスが必要と考えられる.近年ではセンサデバイスの高度化・小型化・低コスト化と相まって,診断・判断のためのセンシング方法にも変化が見られ,さらに計算機技術の発達により,膨大あるいは超精密な情報の分析も可能になりつつある.
 一方で診断対象へ目を向けると,鉄筋コンクリート建築・橋梁・トンネルなどインフラ構造物の健全性診断,あるいは工業生産における製品検査や設備保全のための診断技術,自動車の自己診断や安全運転支援デバイスといったほか,医学における定量診断,人の感性・感覚といったような曖昧量の判断など,診断技術・判断技術が必要とされる場面は計り知れない.
 本特集では,「診断・判断を実現するための核となるセンシング・情報分析技術」の現状について,幅広い分野から最新技術動向と応用事例等を採り上げながら俯瞰し,社会に還元すべき診断・判断を実現する上で,現在あるいは近い将来に必要とされる技術は果たして何なのか考えて行きたい.果たしてそれが,「情報の多様性」なのか「情報の蓄積量」なのか,あるいは「高度な情報分析アルゴリズム」なのか・・・,さらにこれらの議論を通して,今後の計測技術が目指すべき方向性を見出すための一助となることが本特集の目的である.

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