計測と制御 2016年 9月号

VOL. 55, 2016

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特集「農業生産支援と食料安全保障に向けた先進リモートセンシング技術」

 世界人口は今世紀末には100億人に到達すると予測されているなか,地球規模の温暖化や異常気象の増加による食糧生産への影響が深刻化している.また,市場経済のグローバル化に伴い,主要作物の生産力の変動は世界の作物需給の不安定化,価格の乱高下に直結している.このような背景のなか,主要作物の広域的な生産力の実態に関する正確かつタイムリーな情報の食料施策への重要性はかつてなく高まっており,地球観測衛星群による広域情報計測への期待は極めて大きい.
 一方,国内では農業従事者の高齢化と担い手の減少傾向がつづくなかで,市場開放圧が強まっており,高付加価値化・効率化・軽労化など農業の国際競争力強化への要請はますます高まっている.これらに対応するためには,営農スケール・地域スケールでのインテリジェンス(情報収集・分析・監視・予測および意思決定支援)が不可欠であり,リモートセンシングは時空間変動の大きい圃場や作物の実態情報を把握する上で重要な役割を果たす.
 そこで本特集では,近年格段に充実してきたセンサおよびプラットフォーム環境を,これらのニーズに向けて活用する先進リモートセンシング技術について,センサ,プラットフォーム,利用アルゴリズム,実践的応用の面から多角的に解説する.
 キーワード:リモートセンシング,分光計測,ハイパースペクトル計測,熱赤外計測,合成開口レーダ,アルゴリズム,衛星,ドローン,航空機,生育診断,作況予察,スマート農業,食料安全保障

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