計測自動制御学会 ライフエンジニアリング部門シンポジウム

本シンポジウムは,1986年(昭和61年)に,生体・生理工学シンポジウムという名前でスタートしました.当時は,生体工学といった言葉が出始めたばかりで,学問分野としての黎明期であり,こうした分野の研究者が集り,議論する場も少ない時代でした.そこで,生命・医療・健康に関する研究者・学生・企業のために 研究交流の場を提供することを目的として,計測自動制御学会の中に生体・生工学部会を設立し,生体・生理工学シンポジウムを開催することになりました.

生体工学は,今でも学際領域とされていますが,当時は,どのような学問分野と関わりがあるかもほとんどわかっておらず,何もかもが手探りな時代でした.それは,本シンポジウムの協賛学会の多さが物語っています.また,過去のシンポジウムのセッション構成を見ると,この分野の発展の歴史,試行錯誤を感じることができます.このように本分野は,学際的かつ流動的な学問分野ですので,毎年,同じメンバーでシンポジウムを開催していると必ず衰退してしまいます.ゆえに,本シンポジウムでは,常に新しい研究者との出会いを大切にし,毎年30%は新規の方に参加して頂きたいと考えてまいりました.

本シンポジウムは,毎年,様々な地域で,様々な実行委員長と実行委員会,プログラム委員会の下で開催しています.これは,単に同じ場所で開催すると飽きるからとか,運営の負担を分散するといった目的からだけではありません.様々な地域で開催することにより,その地域のこの分野の新たな研究者の参加を促し交流を図ることができます.本シンポジウムのかなめは,オーガナイズドセッションにあります.オーガナイズドセッションは,現在進行形でアクティブな研究を行い,特別講演としてもそん色ない演者と発表から構成され,そこでは,かなり突っ込んだ議論が行われています.これは,シンポジウムの母体であるライフエンジニアリング部門(旧 生体・生理工学部会)運営委員や,毎年の実行委員長,実行委員会,プログラム委員会が,自らの知り合いの研究者を講演者の形でシンポジウムに呼び,新たな出会いを提供するという重要な働きをしています.こうして本シンポジウムは,常に毎年新しい研究者を取り込み,発展してまいりました.

2011年9月,生体・生理工学部会は,ライフエンジニアリング部門に昇格し,生体・生理工学シンポジウムは,2013年よりライフエンジニアリング部門シンポジウムとして開催しています.対象分野も,生体工学,医用工学のみならず,それを支える理論や技術,逆に生体機能からヒントを得た工学的手法,例えば脳神経系を模倣した情報処理・認識や視覚機能を模倣した画像処理,知能機械,機械学習なども対象とし,発展を続けています.

今では,シンポジウムを開始した当時よりもインターネットも普及し,情報収集の苦労は格段に少なくなりました.しかし,本シンポジウムでは,こんな面白いことをやっている人がいるんだ!から,論文でお名前だけは拝見していたけど初めてお会いした!やはり面白い方だった!へ,リアルな感動をお届けしたいと思っております.皆様の積極的なご参加を心よりお待ちしております.

2014年度ライフエンジニアリング部門長 / ライフエンジニアリング部門シンポジウム2017実行委員長 横田 康成