福祉工学部会−ロボット・セラピー部会合同討論会見聞録

 

20051213() 13:3017:00

場所 独立行政法人 産業技術総合研究所 秋葉原サイト大会議室(秋葉原ダイビル11F

URL http://www.aist.go.jp/aist_j/guidemap/tokyo/tokyo_map_main.html

 

 

医療福祉関連技術、様々なセラピー、QOL、リハビリ、福祉用具などの評価やエビデンスに関し、ご関心ある方々、精神科医、臨床心理士、理学療法士や福祉工学、建築・機械・電子・情報・ロボット工学関連などの方々が30名の参加があり脳機能研究所の武者利光さん、株式会社アールティ中川友紀子さんに講演とデモをしていただき、そのあと、茶話会形式で自由討論をしました。

 

13:3514:20

ネット解析による脳リハビリ・モニター「DIMENSION」のデモ

株式会社 脳機能研究所 代表取締役 武者利光

株式会社 ゆらぎ研究所 代表取締役

http://www.bfl.co.jp/main.html

http://home.ksp.or.jp/yuragi/index.html

14:3015:15

音声入力指示操作可能な2足歩行ロボットの講演・デモ

株式会社アールティ 代表取締役 中川友紀子

http://www.rt-net.jp/

15:30から茶話会

 

武者先生は、「1/fゆらぎ」(「エフブンのイチゆらぎ)と読む)でとても高名な先生で、「1/fゆらぎ」の解析やその応用研究を行っており、基本的な話から研究成果、脳波解析と認知症などの関係について講演後、脳波測定の計測・解析のデモを会場の参加者を対象に実際に行って下さいました。

脳波解析で10個の電極で喜怒哀楽のストレスが大体評価でき、実験でテレビドラマ「大地の子」を見て悲しみのあまり高揚したストレスが、涙を流すとスーと下がったとか、「泣く女優」(仕事として泣く人)は、喜びと悲しみの信号が同時に得られ、その役者に聞いたら『泣けてよかった、と思った』とか、好奇心があるときは喜びとストレスの信号が出ているなど、またゆらぎ情報から脳の局所的な活性化情報がよりわかりやすいとか、ロボット・セラピーやアート・セラピーなどの効果について興味深い話を聞きました。

デモでは被験者がセンサーのついた透明なヘルメットを着用し、5分程静かに脳波の測定後、インターネットで、脳機能研究所にその計測データを送ると、数分で結果が得られ、脳の活性具合の解析結果が表示されました。(講演・デモ中の撮影は、夢中に聞いていて写真撮ると忘れました。御免なさい。)この方法は、放射性薬剤を体内に投与して脳機能を評価する手法と異なり、無害で簡易なため、1日に何度も脳機能測定が可能なところが1つの大きなメリットとのことです。

「1/fゆらぎ」は1982年にヒトの心拍リズムにも発見されたそうで、人が心地よいと感じる音、映像、触感などに発見されているそうです。武者先生は一般向けの著作も書かれているので、ご興味ある方は本屋さんや図書館でご覧になられると良いと思います。


参考:ロボット・セラピーに関して武者先生のやられた研究成果の一部の紹介
   産総研のWEB http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2005/pr20050916/pr20050916.html
 

中川先生は、ロボットを研究するだけでなく、ロボットに関する教育や体験、科学教育にも熱心な先生で、行政に協力した活動も行っています。評価とエビデンスのテーマでワイワイすることを12月に企画していると話したところ、11月にできる予定の音声で操作する小型2足歩行ロボットを2台持って参加しましょうと申し出て下さり、講演とデモをして下さいました。(だから、できたてのホヤホヤを見せていただきました)デモでは、音声指示で2台を競い合わせて歩かせたり、思う方向(前後左右)に指示して歩かせたり、腕立て伏せや起きあがり動作などをしました。ロボットへ指示する言葉は、あらかじめ登録してありますが、登録は簡単で、操作者の声を登録する必要がなく、誰でもがすぐに操作指示でき、話し方の抑揚を変えたり、男性、女性が入れ替わったりしてもほぼ認識できていました。

 

事例紹介 福祉工学部会20051213日のデモンストレーション使用機材

     http://www.rt-net.jp/jirei0512.html

 

講師の写真、左が中川友紀子さん、右が武者利光さん

 

音声指示がどれくらいうまく機能するか試しながら、ロボットを操作しているところ。

 

茶話会では、ナムコの小野雄次郎さん(福祉工学部会委員)より、トーキングエイドなどの支援機器を開発された経験もふまえ、福祉機器メーカの観点からお話をしていただき、続いて東大先端科学技術研究センターの井手口範男さん(中邑研究室、バリアフリープロジェクト)が、支援機器の情報発信で「こころWeb」「こころリソースブック」の紹介と脳血流を測定して、特定の刺激に対する反応の研究紹介など話題提供をして下さり、その後、自由にワイワイと話をしました。臨床、医療の方々と、工学技術の研究、開発されている方々、様々な分野、立場の方々がおられ、興味深い話が拝聴できました。12月のご多忙な次期にご参加下さり、ワイワイと気さくにお話してくださった講師と参加者の皆様に感謝します。

文責 小野栄一(福祉工学部会平成17年度主査、URL2006.2.8現在)

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