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 会告:2009年度計測自動制御学会学術奨励賞の贈呈
学術奨励賞 研究奨励賞10君,学術奨励賞 技術奨励賞4君に贈呈された.

○学術奨励賞 研究奨励賞

もんない やすあき 門内 靖明 君(学生会員)
 2008年東京大学工学部計数工学科卒業.10年東京大学大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻修士課程修了予定.同年より博士後期課程に進学予定.電磁波の伝送路の構造や形態に着目して波動を制御し,計測や通信,ヒューマンインターフェース等に応用する研究に従事.

 受賞論文「2次元伝送路を用いたフェーズドアレイシステム」
〈第26回センシングフォーラム 計測部門大会で発表〉
 レーダーのようなパターン計測を行うためには,電磁波の指向性や集光性を電気的に制御可能なフェーズドアレイシステムの構築が重要である.本研究では,特に室内規模で利用可能なレーダーイメージングの実現を目指して,遅延素子が不要で極薄型かつ低コストのフェーズドアレイシステムを構成する新しい手法を提案した.提案手法は,2次元導波路表面に設置された散乱体アレイによる近接場散乱を利用するものである.各散乱体は,その位置に応じた位相で導波路表面の近接場を空間中に散乱する.そのため,多数の散乱体の幾何学的な配置パターンを適切に調節することで,散乱波の合成波面を自在にデザインすることが可能となる.この概念に基づき,散乱波の指向性および集光性を制御するための散乱体パターンの設計法を導くとともに,電磁界シミュレーションと実験によってその有効性を検証した.

やまおか まさあき 山岡 正明 君(正会員)
 愛知県生.2007年名古屋大学工学部機械航空工学科福田研究室卒業.在学中,自律分散型制御アルゴリズムの研究に従事.09年東京大学大学院工学系研究科精密機械工学専攻樋口・山本研究室修士課程修了.在学中,VRにおける触感インタフェースの開発の研究に従事.

 受賞論文「デバイス相対移動を用いた粘着摩擦感の長ストローク提示」
〈第9回システムインテグレーション部門講演会で発表〉

 近年,触感提示に関する研究が多数行われている.その中で,われわれは粘着触感に着目し,粘着面上における触感の再現提示を目指している.粘着触感は,油脂等付着時の物体表面の触感や樹脂素材等の触感を提示する際に重要になると考えられる.これまでに,粘着面から指を引き離す際に得られる触感を再現する粘着触感ディスプレイや,粘着面をなぞった際の強力な摩擦感を提示する粘着摩擦感提示ディスプレイを提案してきた.以前に報告した粘着摩擦感提示ディスプレイでは,提示のストロークが短いことが1つの問題であった.そこで,今回,指のなぞり動作に同期して,デバイス自体を移動させることで長ストロークでの提示を試みた.結果として,指先なぞり動作とデバイス移動との相対移動係数を変化させることで,指先に生じるスリップ距離を変化させることができた.スリップ距離は,粘着感や摩擦感の知覚に影響を与える可能性も考えられることから,移動係数を通じてスリップ距離を制御することで,提示する粘着感等を変化させることも,今後の可能性として期待できる.

さとう さとし 佐藤 訓志 君(学生会員)
 2005年名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業.07年名古屋大学大学院工学研究科博士課程前期課程修了.同年同博士課程後期課程に進学し,現在に至る.09年より日本学術振興会特別研究員(DC2).非線形制御の研究に従事.

受賞論文「確率ポート・ハミルトン系の変分過程と随伴過程について」
〈第38回制御理論シンポジウムで発表〉

 筆者らはこれまでに,ハミルトン系の変分対称性に基づく学習最適制御手法に関する研究を行ってきた.この手法は,制御対象の詳細な情報を用いずに,あるクラスの最適制御を試行実験の反復により達成できるが,実験時の不確定外乱は考慮されていなかった.そこで,外乱を含めた制御対象を確率システムとみなし,提案手法を確率システムへ拡張することで,学習と外乱抑制を同時に達成することを考えた.本論文では,ハミルトン系を拡張した確率ポート・ハミルトン系を考え,学習最適制御手法の核となる変分対称性に相当する性質を考察した.具体的には,確率ポート・ハミルトン系の変分過程と随伴過程を定義し,それぞれが持つ性質を明らかにした.はじめに,変分過程が線形の確率ポート・ハミルトン系として表現できることを示した.つぎに,随伴過程が変分過程の後退ダイナミクスと一致するための条件を導出した.この性質は,変分対称性を特別な場合として含む自然な拡張となっており,後退ダイナミクスの解過程が,それに付随するある前進ダイナミクスの解過程と一致する.本論文の結果を利用することで,学習最適制御手法を確率ポート・ハミルトン系に対して拡張することができる.また,後退ダイナミクスの解過程の計算を必要とするオプション価格の決定問題など,数理経済学への応用も期待できる.

Kai CAI 君
Kai CAI received the B. Eng. degree in Electrical Engineering from Zhejiang University (China) in 2006, and the M.A.Sc. degree in Electrical and Computer Engineering from the University of Toronto (Canada) in 2008. He is currently pursuing the Ph.D. degree at Tokyo Institute of Technology (Japan). His research interest is distributed control of multi-agent systems.

受賞論文「Quantized Consensus on Gossip Digraphs」
〈第38回制御理論シンポジウムで発表〉

We study distributed consensus problems of multi-agent systems on directed networks and subject to quantized information flow. For the communication among component agents, particular attention is given to the gossip type which models their asynchronous behaviors; for quantization effects, each agent's state is abstracted to be an integer. The central question investigated is how to design distributed algorithms and what connectivity of networks that together lead to consensus. This investigation is carried out for both general consensus and average consensus; for each case, a class of algorithms is proposed, under which a necessary and sufficient graphical condition is derived to guarantee the corresponding consensus. In particular, the obtained graphical condition ensuring average consensus is weaker than those in the literature for either real-valued or quantized states, in the sense that it does not require symmetric (or balanced) network topologies.

つばきの だいすけ 椿野 大輔 君(学生会員)
 2005年名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業,07年東京大学大学院工学系研究科修士課程航空宇宙工学専攻修了,同年東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程システム情報学専攻進学,09年日本学術振興会特別研究員(DC2).数値計算理論の制御理論への応用,分布定数系の階層化モデリングなどの研究に従事.

 受賞論文「中心対称動的システム:幾何対称構造をもつシステムの実現と最適制御」
〈第38回制御理論シンポジウムで発表〉

 システム解析や制御系設計の理論において,たとえば物理的性質などシステム固有の性質に注目することで,より詳細な理論や有用な設計指針を得ることができる.本研究では,センサやアクチュエータ,その他の物理的な構成要素が幾何学的に対称に配置されているようなシステムに対して,中心対称動的システムの概念を定義し,そのシステム解析を行う.これは,中心対称行列を動的システムに一般化したものに対応しており,従来の転置に基づく対称行列の意味での対称システムとは異なるものである.まず,入出力の対称性に基づいた定義から始め,状態空間実現が持つ特徴や,そのシステムに対するRiccati 方程式の解の構造を明かにする.これにより,Riccati 方程式が約半分の次元の方程式に分解できることを示す.この事実は,システムが大規模であるときの最適制御において,計算面で特に有用である.

いせや さおり
伊勢谷沙織 君(学生会員)

 2009年電気通信大学電気通信学部人間コミュニケーション学科卒業.現在電気通信大学電気通信学研究科人間コミュニケーション学専攻,玉圭樹研究室に所属.最適化手法の研究に従事.

受賞論文「The Pacific Ocean Route Optimization by Pittsburgh-style Leaning Classifier System(ピッツバーグ型学習分類子システムによる太平洋定期船航路編成最適化)」
〈ICCAS-SICE 2009で発表〉

 近年,アジアの急速な経済成長に伴う世界の貨物取扱量の増加により,太平洋定期船航路では船社間競争が激化し,航路やスケジューリングの効率化が急務となっている.しかし航路編成には多くの制約が伴うために自動化が容易でなく,依然として勘や経験に基づく手作業に頼っているのが現状である.そこで本研究では,ピッツバーグ型学習分類子システムを拡張する手法を提案し,適切な航路数での定期船航路編成の自動化を試みた.具体的には,(1) 非現実的な航路の削除,(2) 航路同士の統合,(3) 航路の効率化・貨物積み降ろし順の可変化をする手法を提案し,太平洋定期船航路の実在データに基づくシミュレーションを通じてその有効性を検証した.その結果,ピッツバーグ型学習分類子システムのみでの航路編成と比較して,提案手法を組み込んだ航路編成は少ない隻数で時間の無駄のない,効率的かつ実現性のある航路生成が可能となることが明らかになった.

わかたけ まさと 若竹 雅人 君(学生会員)
 2008年大阪大学基礎工学部システム科学科卒業,同年4月大阪大学大学院基礎工学研究科博士前期課程入学,在学中.離散事象システムに関する研究に従事.

受賞論文「Decomposition〈ICCAS-SICE 2009で発表〉 of Timed Automata for Solving Jobshop Scheduling Problems」
〈ICCAS-SICE 2009で発表〉

 Alurらによって提案された時間オートマトン(TA)は,クロックの概念が追加されたオートマトンであり,時間生起によるシステムの動作を実現できる離散事象システムのモデルである.汎用性を有するスケジューリング手法の開発を目的として,TAによるスケジューリング手法が知られている.TAを用いることにより,複雑な問題に対して,モデル検証や可到達解析,モデル変更などが容易に行えるようになる.問題を構成する仕事や機械などの要素のモデルを得ることができれば,並列合成によりシステム全体のモデルを構成できる.しかしシステムの大規模化,構成する要素数が増加すると,状態空間爆発の問題が生じる.本研究ではこれを避けるために,TAの分解と調整によるスケジューリング問題の解法を構築した.全体のモデルに対して分解条件を定義し,分解条件を満たす分解法を提案した.数値実験により, 提案法はジョブショップ問題に対して状態空間削減,高速に実行可能解を得ることができるなどの有効性を示した.

おちあい たかや 落合 恭也 君(学生会員)
 2008年東北学院大学工学部機械創成工学科卒業.現在,東北学院大学大学院工学研究科機械工学専攻博士前期課程に在学,2010年3月修了見込.在学中,玉乗りロボットの開発・研究に従事.

受賞論文「玉乗りロボットによる搬送に関する研究」
〈東北支部第247回研究集会で発表〉

 本研究では,単一の球上に乗り,その球を転動させることで姿勢維持や移動等を行うことが可能である,倒立振子型ロボットの玉乗りロボットを開発し,これを用いた搬送に関する研究を行った.本機は倒立振子制御を2軸に適用しており,全方向移動が可能であると同時に,全方向からの外乱にも強い特性を持っている.姿勢制御には加速度を用いており,トルク操作と異なり倒立振子の質量変化に伴うゲインの変更を行うことなく安定した状態を保つことができる.また,制御に用いている位置に関するゲインをゼロに切り替えるだけで容易に受動的な動作に切り替えることが可能である.これらの利点を生かして,玉乗りロボット単体による搬送物の運搬を実現した.さらに,受動動作に切り替えることで,新たに協調運搬のためのセンサ等を追加することなく,容易に人間や複数台のロボットによる協調運搬の実現が可能である.以上の実験から本機の運搬作業に対する有用性を示した.

いちじ けい
市地  慶 君(学生会員)

 2007年3月東京都立工業高等専門学校電気工学科卒業,09年3月東京都立産業技術高等専門学校専攻科創造工学専攻修了.同年同月大学評価・学位授与機構より学士(工学)取得.同年4月東北大学大学院工学研究科電気通信工学専攻博士前期課程進学.在学中.現在は放射線治療装置の高精度化に関する研究に従事.

受賞論文「放射線治療のための肺腫瘍位置変動の周期ダイナミクス予測に関する一考察」
〈東北支部45周年記念学術講演会で発表〉

 放射線治療においては,目標腫瘍に十分な照射を行うとともに,健康な部位への照射を極力避けることで理想的な治療効果が得られる.とくに肺腫瘍は呼吸性変動により腫瘍位置が変化するため,腫瘍位置をリアルタイムに計測して追尾照射する必要がある.この際,所望の位置へ照射野を移動する機械的時間遅れを補償するため,腫瘍の動きを予測する方法が提案されている.しかし,その予測精度は十分とはいえず,予測精度向上が求められていた.本研究では将来の腫瘍位置変動の周期を知ることで,臨床上十分な高精度の位置予測が可能となることに注目し,変動周期の予測法を提案した.提案法の予測モデルは基本的な指数平滑化法をもとに変動周期の特徴にあわせて改良したモデルである.臨床実データを用いて,従来法と提案手法の予測性能を実験・評価した.その結果,提案手法は特に短中期の変動周期予測において従来法よりも高い予測精度を達成できることが確認された.

たかはし あきこ 橋 明子 君(学生会員)
 2007年3月九州工業大学情報工学部制御システム工学科卒業,09年同学大学院博士前期課程情報工学研究科情報科学専攻修了,同年4月同学情報工学府博士後期課程情報科学専攻入学.現在,主として電動機駆動システムにおける高効率・高信頼性技術に関する研究に従事.

受賞論文「A Method of Torque & Speed Estimation for Line-start IM with Electrical Parameter Identification」
〈ICCAS-SICE 2009で発表〉

 われわれは電源直入れ誘導電動機のトルクと速度を推定する手法を提案する.電源直入れ駆動方式は,構成が簡易かつ動作信頼性が良く安価でもあるため,発電所や化学プラントに設置される電動弁の駆動方式として普及している.しかし,回転数や出力トルクを管理することができない.提案手法は,配電盤に設置した電流・電圧センサのみから電流と電圧の内積と外積を用い,誘導電動機一定回転時だけでなく電源投入直後の磁束電流変動時におけるトルクと速度を推定する.さらに,相互インダクタンスや漏れインダクタンス,ロータ抵抗を同定する.本手法における必要なパラメータはステータ抵抗のみである.本手法はセンサレスベクトル制御に基づくが,オブザーバ等の複雑な計算を必要としない.つまり,非常に簡単にかつ少ないパラメータにより誘導電動機のトルクと速度を推定可能である.本手法を用いることにより,電動弁保守保全作業の効率化に貢献することも可能である.


○学術奨励賞 技術奨励賞

Hyon Lim 君(正会員)

 受賞論文「Real-Time Single Camera SLAM Using Fiducial Markers」
 〈ICCAS-SICE 2009で発表〉

お せふん 呉  世訓 君(正会員)
 2005年東京大学工学系研究科電気系工学専攻で博士(工学)取得.同大学生産技術研究所の研究員を経て,現在同大学電気系グローバルCOE特任助教.人間生活アシストおよび福祉応用に関係した人間親和型モーションコントロールに関する研究に従事.

受賞論文「Force Sensor-less Assist Control Design based on Two-degree-of-freedom Control」
〈ICCAS-SICE 2009で発表〉

 モータを利用するパワーアシスト制御を,力センサを用いずに実現する制御手法を提案した.モータの角度とプラント全体のモデルを利用して外部からの力を推定し,その外力に対するプラントの動きを自由に設計する手法である.モデルに基づく力推定であるので,モデル誤差によるシステムの不安定化が問題となるが,その安定化が主にゲイン余裕によって決まることを示した.また力センサレスパワーアシスト制御を二自由度制御の構造に拡張,そのQフィルタの特徴を分析しQフィルタの位相がアシスト特性を作り出していることを示した.そして,二自由度制御における指令値と外力に対する特性設計の独立性を活かして指令値に対する追従特性を劣化させることなく外力に対するプラントの特性を設計できた.これは人間とのインタラクションがないときの動きと人間のインタラクションがあるときの動きを独立に設計可能にした制御手法である.最後にパワーアシスト制御におけるQフィルタの位相特性を利用,非最小位相Qフィルタを利用することで摩擦力は抑制しながら特定の人間の力だけアシストする制御が実現できた.すべての提案手法を,電動ドアを利用して実験,その効果を確かめた.

かわぐち じゅんいちろう 川口純一郎 君(学生会員)
 2005年九州大学大学院工学府航空宇宙工学専攻修士課程修了.同年より住友金属工業(株)総合技術研究所研究員.07年九州大学大学院工学府航空宇宙工学専攻博士後期課程編入学.現在に至る.無人航空機の飛行制御に関する研究に従事.

受賞論文「階層構造化ダイナミックインバージョンによる飛行制御則の設計および評価」
〈第9回制御部門大会で発表〉

 分割統治アプローチに基づく従来の線形飛行制御則の設計パラダイムはフライトエンベロープの拡大と要求性能の高度化に伴い,設計コストおよび制御性能の両面で限界を迎えつつある.本研究では飛行制御の分野で注目されてきたフィードバック線形化理論に基づくダイナミックインバージョン(DI)に対して,設計現場で経験的に有効性が認められている「誘導と制御」および姿勢制御における「内部ループと外部ループ」の概念を応用した階層構造化DIを提案した.階層構造化DIは1次のDI制御則のカスケード構造で実現され,少ない設計パラメータで単純かつ体系的に制御則を設計できる特長がある.小型自動着陸実験(ALFLEX)の実機開発で用いられた詳細な6自由度非線形飛行シミュレーションモデルによる評価の結果,階層構造化DIは実機搭載のH無限大ロバスト制御則と比べてノミナル制御性能が向上し,かつ同等のロバスト性能が実現されることが明らかとなり,新たな飛行制御則の設計パラダイムとしての資質を有すると結論づけることができた.

つなしま のぼる 綱島  昇 君(学生会員) 
 2009年慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科卒業.同年4月同大学大学院理工学研究科総合デザイン工学専攻修士課程入学,現在に至る.主として人間支援システム,実世界ハプティクス,モーションコントロールに関する研究に従事.

受賞論文「Continuous Integration of Motion Components Using Motion Copying System」
〈ICCAS-SICE 2009で発表〉

 近年,生産加工分野や人間支援分野において人間の動作のディジタル記録・再現技術の開発が望まれている.これまでに行われてきた方法の多くは,モーションキャプチャを用いる手法のように人間の動作における位置情報のみしか抽出することができなかった.これに対して実世界ハプティクスに基づくモーションコピーシステムでは位置情報,力情報の両方が抽出,再現が可能になるため,特に熟練技能者のスキル保存や伝承,ロボットへのスキルの転写といった革新的なスキルアキジション技術の開発が期待される.本研究では,モーションコピーシステムを拡張し,別々の時間において保存された動作群を統合して1つの動作として再現する手法を提案している.動作群の統合にあたっては,加速度次元で補間を行うことでスムーズな結合を可能にしている.本提案手法により,少ない動作要素のデータから多様な動作をロボットにより自動再現させることが可能になるばかりでなく,動作単位でのスキルトレーニングの実現などさまざまな応用分野が拓ける.
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