SICE 社団法人 計測自動制御学会
Top
新着情報
学会案内
入会案内
部門
支部
学会活動
学科行事
お知らせ
学会から
求人情報
助成金・研究公募等
事務局から
会誌・論文誌・出版物
リンク
その他
サイトマップ お問い合わせ
 お知らせ
 SICEプロセス塾の活動報告

高津 春雄(横河電機(株))

 (社)計測自動制御学会では、会員である会社やそのお客様である会社にて昨今社員の高齢化に伴い減少している‘現場のわかるプロセス制御技術者’の養成を目指して、その育成プログラムを企画、スタートすることにした。
 ここ数年、海外では不足する石油製品、化学製品を補うために、石油や石油化学など素材装置プラントの建設プロジェクトが頻繁にスタートしている。このため、計測制御エンジニアの需要は高まっている。また、日本国内でも、新設プラントの建設こそ多くないが、海外プロジェクトの支援、景気の活性化にともなう既設プラントの改良や、自動車やIT産業などの非装置産業からの要請により、計測制御エンジニアの不足を起こしている。
 計測自動制御学会では、これらの需給バランスを考慮し各企業が個別に人材の育成を行うのではなく、賛助会員会社であるユーザー会社、エンジニアリング会社、電機会社と連携して、企業横断的な人材の育成を目指す。大学や賛助会員会社に所属していたシニアレベルのエンジニアを講師陣に迎え、その方々が蓄積した高度の経験や知見・見識を教材として提供する。たとえば、PID制御の実践的なチューニング方法、加熱炉、熱交換器、ポンプ、蒸留等などの基本プロセスユニットの計装方法のノウハウを伝授する。また、WEBベースの通信講座やスクーリング合宿を通して、制御専門家同士の情報ネットワークの構築を支援する。これにより、本塾では、当初計画として3年間で100人の専門家を育成する。塾の修了者には、SICE認定計測制御エンジニア補の資格が与えられる。
 計測自動制御学会は、これまでにも教育活動の一環として、シンポジウム/講演会の開催、CPDポイント制度や計測制御エンジニア認定制度、SICE Week(地域の高等学校/専門高等学校での出張講義)を行ってきた。今回のプロセス制御専門家養成塾(略称‘プロセス塾’)もこれらの教育活動の一環をなすものである。
 2006年度は、18名が塾生として参加し、10月に開校式が行なわれ、受講生と講師陣の紹介が行われた。 東京大学名誉教授 北森塾長からはいかに制御が重要かについて基調講演が行われた。11月に入り後述するPID制御とプロセス計装のテキストの配本が行われた。11月30日〜12月1日には、第1回スクーリングが東京昭島市のフォレスト・イン昭和館にて、受講生18名+講師陣5名が参加して盛大に開催された。初日の講演は北森塾長から「制御の現場と制御理論の整合性」と題して制御理論の抱える問題点と実際の適用に当たっての着眼点について説明があり、塾生に制御の重要性が伝えられた。続いて、富田講師から「PID制御の実際」について200ページにわたるシミュレーション解析と長年の経験に基づいたオペレータのためのPID調整則が紹介された。2日目には野中講師から、「海外大型プロジェクトの遂行」と題して、ホットな企業活動の現状が報告された。続いて、末続講師からプラント会社・プラントエンジニアからみた「プラント・プロセスの計装」のノウハウの伝授が行われた。初日の懇親会では、深夜遅くまで講師陣と受講生により熱心なコミュニケーションが行われ、会社の枠を越えて、制御エンジニア同志の親睦が図られた。残りの配本および次回のスクーリングも3月末までに順次実施される予定である。
 計測自動制御学会では、海外との連携も積極的に行っている。韓国自動制御学会からの理事の受入れ、Annual Conferenceの完全英語公用化、Annual Conferenceの海外での開催(2006/10 韓国釜山)を通して、人材交流を図っている。これらの活動を通して計測制御専門家の育成を推進している。
 最後に、2007年度の本塾への申し込みは、下記の計測自動制御学会宛のメールアドレスから随時行えますので、ぜひご参加を計画ください。

<WEB講座>
科目 概要 講師
(敬称略)
プロセス制御 概論−産業の発展と制御技術の展開、プロセス制御の役割と期待効果、プロセス制御系の設計手順 伊藤利昭
重政 隆
制御基礎−プロセスの動特性、制御系の構築、制御性評価と課題
PID制御の実際 PID制御の実践チューニング 冨田芳生
PID制御手法の実際
PIDアドバンスト制御概要
プラントの計装 計装と制御の目的 末続 靖
計装の表現
計装ループとその構成
プラントの計装例
最近の計装技術
プロセスモデリング 化学工学基礎−物質収支・熱収支、移動現象、反応モデル、蒸留モデル 橋本芳宏
加納 学
データ解析−ステップ応答、近似モデル、フーリエ変換、周波数応答、伝達関数、非線形性対応、因子分析、閉ループ同定
モデル予測制御 モデル予測制御概論、プロセスモデルと制御量予測、システム制御則、チューニング、モデル予測制御の実践 小河守正

<スクーリング講座>
テーマ 内容 担当
石油・LNGプラントでの実践 プラント事例の概要、計装、制御、運転の説明&討議 石油系経験者
化学プラントでの実践 プラント事例の概要、計装、制御、運転の説明&討議 化学系経験者
電力プラントでの実践 プラント事例の概要、計装、制御、運転の説明&討議 電力系経験者
計測・制御機器での実践 機器の概要、計装、制御、運転の説明&討議 制御機器ベンダー&エンジニアリング経験者
プロジェクトエンジニアリングの実践 プロジェクト事例の概要、立上げ、運転の説明&討議 制御機器ベンダー&エンジニアリング経験者

<2007年度プロセス塾塾生募集要項>
[募集条件]
* プロセス制御の現場(企画、設計、実装、保守など)にて10年前後の実績を有すること。
* 講義およびスクーリングに原則として100%出席可能なこと。
[募集人数]
* 40名
* 応募者が多数の場合には、学会にて選考を行う。
[募集要領]
* 応募条件にあう方は下記の申込先にFAXまたはE-mailにて申し込み下さい。
[参加費用]
* 10万円/人 (2006年度)
* ただし、講義のテキスト代、スクーリングの宿泊費を含む。交通費は含まず。
[終了時の特典]
* SICE計測制御エンジニア認定制度の「エンジニア補」の資格を授与する。
[申込先]
* 〒113-0033 東京都文京区本郷1-35-28-303
* (社)計測自動制御学会 企画委員会 プロセス制御専門家養成塾係
* 電話:03-3814-4121 FAX:03-3814-4699 E-mail:
copyright © 2007 (社)計測自動制御学会