日時 7月12日(日) 13:30 ~ 15:00
場所 イクシー株式会社(exiii Inc.) / DMM.make AKIBA(東京都千代田区神田 練塀町3富士ソフト秋葉原ビル)
内容 電動義手開発プロジェクト,デジタルファブリケーション設備
参加 23名

 

 東京電機大学 東京千住キャンパスで開催された第20回知能メカトロニクスワークショップの見学会を福祉工学部会も共催させていただくことになり、スタイリッシュな電動義手で話題のイクシー株式会社(exiii Inc. / http://exiii.jp/) と、イクシー株式会社が入居する DMM.make AKIBA を見学させていただきました。

 富士ソフト秋葉原ビル1階に集合し、見学先であるイクシー株式会社の代表取締役近藤玄大さんに12階の DMM.make AKIBA にご案内いただきました。12階はイベントなども可能なフリーアドレス型のおしゃれなオープンスペースでした。( http://akiba.dmm-make.com/about/facility )

 今回、参加人数が多かった関係で、先に電動義手のデモンストレーションを見るグループと、DMM.make AKIBA 10階の工作設備( http://akiba.dmm-make.com/about/facility )を見せてもらうグループに分かれて見学させていただきました。

【イクシー株式会社の電動義手見学】

 開発中の電動義手について、普及率が1%程度と低いため安価な義手を提供すること、データをオープンソースとして公開する戦略、個性として主張できるような義手を目指したいことなど説明いただきました。以前のバージョンでは筋電を用いていましたが、最近は筋電センサの代わりに、距離センサで筋活動に伴う皮膚表面の動きをとらえて義手を動かす方式を用いていること、そのキャリブレーションは、最大値と最小値を設定するだけのシンプルなものであることなども、実演を交えながら説明いただきました。

 今回見せていただいたのは、最新型の小型ハンドと前バージョンの義手で、前バージョンはモータ6個だったのですが、新型はモータ3個に限定して、特につまむ動作をターゲットとして開発されたそうです。各モータを個別に制御するのではなく、いくつかの把持モードを持っており、それらをボタンで切り替えた後、前述の距離センサの値を見て、指を閉じたり開いたりできる仕組みとのことでした。また、オープンソースで公開されたデータは改変可能な形式ですので、ダウンロードした人が改良して活用することもできるようです。

 見学者の数名が体験させていただきましたが、皆さん、簡単に操作できることをビックリされていました。

【DMM.make AKIBA見学】

 10階の工作設備フロアは目的ごとにゾーニングされており、まず受付近くのワークショップを見せていただきました。一部の機械は講習会を受ける必要がありますが、多くの機械は自由につかうことができるそうです。同じ部屋には振動、熱、温湿度、力、電磁波などに関する試験装置もありました。隣がデザインルームで、CADを用いてデザインする設備が揃えられていました。刺繍、印刷、キャスティング、電子工作、測定器の部屋などもありました。定期的にワークショップも開催されているようです。これだけの設備がそろった施設はなかなかないと思いますので、モノ作りが好きな人には、とても魅力的な設備だと思います。

(文責:梶谷)