日時 2018年7月1日(日) 13:00-16:00
場所 酒井医療株式会社 東京支店

7月1日(日)に部会上期の情報交換会として,酒井医療株式会社 東京支店にてHNA法研修会が主催の介助動作の研修会に参加しました.部会からの参加者は3名でしたが,参加者全体は10名強に対し,ベッド3つに講師陣は6名とあって,ゆったり指導をいただける会となりました.参加者は,療法士,看護師,ヘルパーの方々が大半とあり,自宅・職場でご苦労されている方々とあって,質問をする側もされる側も共感を伴いながら,具体的に介護,介助について情報交換をおこなっており,その中にエンジニアとして教科書レベルの知識で参加したことで,見聞が広がるだけでなく実体験として多くを感じるところがありました.

 今年度の1回目の研修会とあり,一つ一つの動作についての考え方から,具体的な動作時に考えること,動作の改善ポイントを逐次指導いただけました.アットホームな雰囲気の中,最初にHuman’s Natural Action(HNA)法での介助動作の考え方と,現状の教科書や研修会で教えられている,対象者を物として力学的に負担が少なく扱う手技が介護・介助される側にとって心的また肉体的にも負担が大きいことを教わりました.普段何気なく布団の上に横になってるので,あらたえてどういう順で寝てますか,手をつかずに寝てみてくださいと言われ,はたと気がつくことも多くありました.また,普段行う動作に近い動作を導く介助という考え方は,介助を受ける側が自分でできるところを最大限自分で行い,介助する側も身体的に負担も少ないだけでなく,お互いに気持よく満足度が高いと言う点に,大変勉強になるところが多かったです.研修を重ね,説明・指導方法にも工夫を重ねてきたことが,教員観点でみても感じられ,多くの方々にこの方法を広める工夫があればと教員・エンジニアとしては感じました.

 参加した部会のメンバーとは,授業等で少ない指導者で介助動作をどう指導できるかということで議論ができ,あらためて,生活支援機器,介助支援機器による身体負担を直接下げる力学ありきな設計論ではなく,介助する側の管理効率向上にもとづいたシステム論ではなく,人間の行動にもとづいた,介助を受ける側が「最低限の手助け」を受けることを是とする福祉工学技術,ヒューマンインタフェース技術の設計論の研究の必要を感じる会でした.

(文責:大西)

参考URL:
動作介助研究会 HNA法研修会
酒井医療株式会社 TOKYO LAB