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 論文集抄録
  

論文集抄録

〈Vol.47 No.10(2011年10月)〉

論 文 集 (定 価) (本体1,660円+税)

年間購読料 (会 員) 6,300円 (税込み)

  〃   (会員外) 8,820円 (税込み)


タイトル一覧

特集センシングイノベーション
[論  文]

[論  文]


[論  文]

■ A0モードラム波を用いた動的せん断歪み解析に基づく欠損部の近接場の撮像

佐賀大学・寺本 顕武,井上 亮二

 薄板複合材料の非破壊検査において, ガイド波を用いた非破壊検査が注目を浴びている. ガイド波は, 薄板内を導波路として進行するため, 小さなエネルギー減衰で伝搬する特長がある. ところが 音速が周波数と板の厚さによって変化する分散性の波であり,波面の進行とともに, 入力パルスの形状が崩れ,亀裂や剥離, 腐食箇所からの散乱波を検出することが困難になるという問題点がある. そこで本研究では, 動的面外せん断歪みベクトルからなる共分散行列の行列式の値に着目し, 欠損近傍の近接場の撮像法を提案している. その結果, 波長の1/9程度まで分解能を高めることができ, 波面の伝搬速度や周波数とは関係なく, 再放射源近傍の波動場を抽出することができることを, 数値実験および音響実験で明らかにした.


■ 静電誘導現象を利用した室内人物移動検出技術の開発

高知高専・栗田耕一,今井一雅恵比寿電機,・池 龍美,野中 徹

 筆者らは、独居者の元気度を知るひとつの手段として歩行運動に着目した。筆者らは歩行に伴う人体近傍に電極を設置することにより、人体電位の変化により電極に誘起される誘導電流を検出することにより、非接触で歩行運動の検出を試みた。さらに,誘導電流が発生する理論モデルを構築し,歩行動作との対応関係を明らかにした。また、本研究では独居者の歩行運動検出を想定し、一般家庭の家屋に電極を設置することにより、被験者の歩行運動を非接触で検出することを試みた。検出した歩行信号はインターネットを経由して研究室に配置してあるデータ収集用PCにより歩行データが収集するシステムを構築した。その結果、静電誘導電流波形には、歩行運動による足の接地、離地のタイミングで発生するピークが観測された。また、一般家庭に設置した電極により検出される静電誘導電流波形から被験者の歩行信号を検出し、インターネットを経由してデータを取得可能であることを明らかにした。


■ 高温コークス炉炭化室の炉壁損傷診断

新日本製鐵・杉浦 雅人,境田 道隆,藤懸 洋一,入江 敬介

 本論文では,コークス炉の生産安定化と設備寿命の延長を目的として筆者らが開発した,炉壁診断装置と凹凸損傷指標化方法について報告する.診断の対象となるのは1000℃を超える高温でかつ狭小幅のコークス炉の内部であり,計測装置を容易に持ち込むことができない環境である.炉壁の熱画像を撮像すると同時にレーザ光切断法で炉壁の3次元プロフィールを計測する手法を開発し,炉壁全面の定量的な観察を可能にした.診断装置により従来詳しく知ることができなかった炭化室炉壁の損傷形態が明らかになった.そして,炉壁の平滑化補修を効率化するために有用な,炉壁の凹凸状態の指標化を考案した.


■ MEMSジャイロセンサと単眼カメラを利用した高精度で頑健な姿勢推定

名古屋大学大学・小堀訓成,出口大輔,
岐阜聖徳学園大学・高橋友和,名古屋大学大学・井手一郎,村瀬 洋

 自動車や移動ロボットの高精度な姿勢推定手法として,MEMS タイプの振動型ジャイロセンサと単眼カメラを利用したシステムを提案する.ジャイロセンサを用いて姿勢推定を行う場合,温度などの影響によりドリフト誤差が発生するため,時間経過に対して姿勢推定精度が低下する.
 一方,カメラを用いた姿勢推定手法では,ドリフト誤差が発生しない反面,特徴点が得られない場合があるため継続的な姿勢推定は難しい.提案手法では,ジャイロセンサの出力とカメラ画像から求めた姿勢出力を拡張カルマンフィルタの枠組みで組み合わせることにより,上記センサの各々が持つ問題の解決を図る.特に,カメラから姿勢が求まらない場合の対応,カメラから求める姿勢の精度向上方法を提案し,実用面を考慮した組み合わせ方法を示す.提案手法により姿勢の推定精度が向上し,実環境においても継続的な推定が可能であることを実験により示す.


■ ML-EM法の利用に基づく四角型超音波CTシステムによる温度分布計測

東京工業大学・向山真登,高山潤也,大山真司

 本論文では、四角型超音波CTシステムを利用した温度分布計測において、対象領域四隅での計測精度向上のための手法を提案する。ここで扱う超音波CTとは、対象領域内を伝搬する超音波の伝搬速度が領域内の温度分布により決定されるという性質をもとに、その伝搬時間を投影データとして捉え、CT手法を適用することで対象領域内の温度分布を計測する手法のことである。この手法を利用したシステム
として、一般的なCTシステムとの対応を図った円型超音波CTシステムがこれまでに数多く研究されているが、一般的な室内での利用を想定した四角型のシステムについては研究例が少なく、多くの問題が残されている。本論文ではそのような問題の一つである、対象領域四隅での再構成精度低下の問題を扱う。四角型超音波CTシステムを構成する超音波送受信器には指向特性があり、適切な伝播時間計測が可能な伝播経路は対象領域四隅では限定される。したがって当該領域では投影データが不完全となり、一般的な分布再構成手法であるFBP法では対象領域中心部に比べ、再構成精度の低下が生じる。本論文ではこの問題をうけ、不完全投影に対応した分布再構成手法であるML-EM法の利用を提案し、対象領域四隅の再構成におけるこの手法の有効性をシミュレーションと実機実験により確認する。


■ 生体組織のためのDark Field Imaging 法に基づく屈折コントラストX線CT

山形大学・砂口尚輝,湯浅哲也,東京理科大学・霍 慶凱,
名古屋医療センター・市原 周,東京理科大学・安藤正海

 生体軟部組織のための新しい屈折コントラストX 線CT 撮像システムを提案する.提案法には,(1) 軟部組織を高コントラストで取得できる,(2) 従来の屈折CT に比べ,計測時間・被曝量を半減できる,(3) 50 .m 以下の分解能で3 次元像を取得できる,という特徴がある.
 撮像系はDFI(dark field imaging)法により実現した.DFI 法は,Bragg 角度での前方回折方向のX 線強度が零になる条件(暗視野条件)を満たすLaue case アナライザーを用いる.アナライザーから生じる前方回折方向と回折方向のX 線投影像を同時取得することで,従来の半分の計測時間と被曝量で測定可能である.さらに,取得された投影像からCT 再構成に必要な屈折情報を抽出するためのデータ処理法とCT 再構成アルゴリズムを提案する.本提案手法の原理の物理的根拠を明らかにするために,データ取得から再構成に至るプロセスを幾何光学に基づいて示したのち,提案手法の実現可能性を示すためシミュレータを開発した.
 提案方法の有効性を示すために,高エネルギー加速器研究機PFBL-14C に撮像系を構築し,乳がんの患者から切除された乳房組織の撮像実験を実施した.得られた屈折CT 像と,染色病理標本像を比較した結果,位置関係および構造に関して高い相関を確認した.また,従来の吸収CT 像では描出困難な,乳管・乳管壁・乳管内分泌物の描出に成功した.


■ TDIカメラを用いた高速3次元計測技術の開発

新日本製鐵・今野雄介,橋口昇平,日鉄エレックス・内藤修治

 本論文では、光切断法と同等の設置スペースでパターン投影法と同等あるいはそれ以上の計測速度を実現する高速3次元形状測定技術について述べる。本技術の測定対象はハードウェアの制約から平面に近い物体に限られるものの、簡易なハードウェア構成で従来の数倍〜10倍の測定速度を実現した。実ラインへの適用例としてオンライン鋼板形状計測に適用した例を示す。


■ 適応ノッチフィルタを用いたコンベアライン上での連続計量における精度の向上−安定時間内での計量−

大阪府立工業高等専門学校・梅本 敏孝,
大和製衡株式会社・加門 守人,香川 洋一郎

 生産ラインで使用される計量システムは,精度のみならず速度が厳しく要求されるようになってきた.このような要求から,能動ベルトコンベア式のオートチェッカが市販されている. この装置の問題点は,機械的な振動によって外乱が生じることである.現状では移動平均法を用いて除去を行っている.この方法では,計量時間の問題から寸法の長い被計量物を測定できないという問題点がある.さらに,実時間処理を行わなければならないことから使用できるデータを被計量物が計量用のコンベアに完全に載っている時間に取得できるものにしなければならない.本論文では,従来から用いられている移動平均法の中で外乱除去に効果があまりないものを用いないことによって移動平均法から出力されるデータの数を確保して,出力されたデータに対してLMSアルゴリズムを用いた適応ノッチフィルタを用いて外乱を除去する外乱除去システムを提案し,オートチェッカを用いた計量実験を行うことでその有効性を示した.


■ ヒトのスイング動作の解析とロボットへの移植

大阪大学・下平 順,天岡 侑己,浜谷 晋輔,
明石高専・武内 将洋,大阪大学・平井 宏明,宮崎 文夫

 GMP仮説に基づき,ヒトの卓球動作スキルを解析した.主成分分析を使用することで上肢によるラケットの3次元軌道を唯一のパラメータで近似表現した.また,胴部の位置計測からは,いかなるボールに対しても,打撃の瞬間には常に同じ相対位置関係を保つような下肢による並進移動がなされていることを確認した.これらの結果に基づき,ヒトの卓球動作が上肢によるスイング動作と下肢による胴部の並進移動に分離解析したヒトの上肢,下肢スキルをロボットに移植することで,我々はロボットによるヒトとの対人ラリーを実現させた.


■ 3Dスキャナとジャイロを用いた屋外ナビゲーションプラットホーム

千葉工大学・吉田 智章,入江 清,小柳 栄次,友納 正裕

 ジャイロを用いたオドメトリと3Dレーザスキャナによる人間の生活空間を移動するロボットの自己位置推定のためのセンサプラットホームを提案する.ジャイロを用いたオドメトリにより高い精度のデッドレコニングを実現する.3Dレーザスキャナは広い視野を持ち,計測点の偏りが少ない.3D点群を2D地図に投影して用いることにより高速でロバストな自己位置推定を実現する.これらのシステムは小型で低コストなセンサにより構成し,多くの移動ロボットに適用可能である.つくばチャレンジ2009および2010の場において屋外ナビゲーション実験を行い,約1[km]のコースの自律走行に成功した.


■ エンジンの応答曲面モデルと制御パラメータ最適化手法の開発

早稲田大学・小川雅俊,鈴木泰政,大貝晴俊,草鹿 仁

 近年の地球環境問題やエネルギー枯渇問題に対応して,自動車エンジンの燃費や排出ガスを改善する技術が求められている.また,現在のディーゼルエンジンは,電子制御装置の発展に伴って,コモンレール方式による多段噴射装置,EGR,過給機などの多数の制御装置を装備している.したがって,自動車エンジンの燃費や排出ガスを改善するには,これらの制御装置のパラメータを最適に設定し制御する技術が必要である.また,エンジン制御システム開発の高効率化を実現するために,モデルベースのエンジン制御システムやエンジン適合技術が近年注目されている.このようなモデルに基づいてエンジンを最適に制御するには,実験データから多数の制御パラメータと特性値の関係を精度よく表現するエンジンの応答曲面モデルの構築と制御パラメータの最適化手法が必要である.
 本研究では,自動車用ディーゼルエンジンを対象として,燃費や排出ガスなどのエンジン特性値と多数の制御パラメータの関係を表現する応答曲面モデルを効率的に構築する方法を提案するとともに,モデルに基づいて複数の燃費や排出ガスなどの評価項目を最適にする制御パラメータを高速かつ効率的に取得するエンジン制御パラメータ最適化手法を提案する.


 
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