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 論文集抄録
  

論文集抄録

〈Vol.48 No.12(2012年12月)〉

論 文 集 (定 価) (本体1,660円+税)

年間購読料 (会 員) 6,300円 (税込み)

  〃   (会員外) 8,820円 (税込み)


タイトル一覧

「センシングフロンティア」特集号
[論  文]

[論  文]


[論  文]

■ 薄膜ヒータ4枚を用いたキャリブレーションフリーな樹液流ゲージの改良デザイン

岐阜大学・西岡一洋,静岡大学・角田悠生,水永博己

蒸散は植物の生存にとって重要な物理現象の一つである。蒸散速度に影響を及ぼす気孔制御は光合成速度を決定する主要因である。蒸散計測によって植物の物質生産に関連する様々な情報を取得することができる。蒸散特性の研究は農業技術や植物水分生理学の発展に大きく役立ってきた。植物体を流れる樹液流に連動した蒸散を計測するためのいくつかの方法のうち、茎熱収支(SHB)ゲージは非破壊的に樹液流を測定しうる便利なツールの一つである。しかし、茎熱収支法には5つの理論的および技術的な問題が残されている。 この5つの問題を解決するために、われわれは“クワッドゲージ”と呼ばれる新しいゲージをデザインした。われわれはサーミスタとマイクロコントローラを用いて4枚の薄膜ヒーターの温度を制御することで安定した茎熱収支を達成した。クワッドゲージは、茎熱収支式における貯熱項と半径方向の熱損失項をゼロにし、枝表面の熱伝導率の実測を可能にした。その結果、茎熱収支理論において全ての仮定を取り除いた。室内計測と野外測定では、クワッドゲージは校正されたSHBゲージと同様の高い精度を示した。今回の樹液流ゲージデザインの改善は、樹液流ゲージの操作の簡素化、システムの小型化およびシステムコストの削減を可能とした。


■ ボイルの法則による分銅の体積測定に関する考察−体積比較器としての実用性−

独立行政法人産業技術総合研究所・孫 建新,植木正明,上田和永

 分銅の質量を校正する際や参照標準として使用する際,空気浮力の影響を計算するために,分銅の体積や密度は必要不可欠な特性である.ボイルの法則を分銅の体積測定に適用すれば,分銅を水に浸す必要がないので分銅の質量の安定性を損なうことがなく,また測定原理において分銅の形状に影響されることがなく,各種の形状の分銅の体積測定に適用できると期待される.そこで, (独)産業技術総合研究所計量標準総合センターでは,ボイルの法則に基づいて2 kg までの分銅の体積が測定できる装置を試作し,これを体積比較器として実用に必要な基礎検討を行った.その結果,100g から2 kg までの幅広い公称質量の分銅について,最高等級であるE1級分銅に対する体積(密度)の要求を満たす高精度で体積測定ができることを確認した.


■ 橋梁ヘルスモニタリング用無電源スマ−トセンサの開発

秋田県立大学・下井 信浩

 橋梁の橋脚における接合部は,震災による損傷や老朽化で損傷されやすくなる.本論文においては,橋梁接合部の健全性をモニタリングするために開発したセンサを使用して,その性能評価方法と性能を確認した結果について報告する.


■ 正方形境界上の荷重積分センサを用いたRFIDタグの定位

電気通信大学・千葉昭宏,奈良高明

 本論文では,二次元平面上において低周波RFIDタグを位置推定する方法について述べる.
正方形境界上においてRFIDタグから発せられる準静的な磁場の荷重積分量を計測することによって,センサと同一の平面上に配置されたRFIDタグを通る直線の方程式が得られることを示す.また,磁場の荷重積分量を直接計測できるごく簡便な磁気センサを開発する.センサユニットは,正方形のx軸に平行な二辺に配置された逆巻きの短冊型コイル二つを直列につないだセンサと,同様にy軸に平行な二辺に配置したセンサ,正方形の四辺に配置された蝶ネクタイ型のコイルを直列につないだセンサのたった三つのセンサから構成される.一辺200 mmの正方形境界上に配置したセンサを用いて,通信周波数135 kHzの低周波RFIDタグを160 mm四方の正方形領域内において位置推定した.その結果,平均誤差3.6 mm,最大誤差20.0 mmの精度でRFIDタグを位置推定できた.


■ 構造未知の音環境システムに対するエネルギー加算とデシベル評価に整合した応答分布予測

県立広島大学・折本 寿子,生田 顕

 現実の音環境システムにおける対象信号は非ガウス型の任意変動分布を示し,また任意変動分布型の外来雑音(暗騒音)が混入するのが通常である.さらに,その複雑多様さのため,内部メカニズムが未知か,既知でもそれから構造的姿で解析を積み上げてゆくことが非常に困難な場合がしばしばである.本研究では,従来の構造的解析法では,その系統的解析がかなり困難であった複雑・多様な実音環境に着目する.特に,実音環境における,デシベル変量での評価とエネルギー変量に基づく対策間の整合性に少しでも寄与でき,これに合理的に対応できる確率分布予測法について考察する.さらに,提案した手法を音環境における実データに騒音へ適用することにより,その実際的有効性を実験的にも検証した.


■ キャパシタを用いた蓄電装置の充放電制御−直並列切り換えによるキャパシタの均圧化−

三菱電機(株)・竹田佳史,大阪電気通信大学・永井 裕,竹田晴見

 本論文では,静電容量のばらつきに起因するキャパシタの端子間電圧のばらつきを抑制することにより,キャパシタを用いた蓄電装置の効率を向上させる充放電制御方式について提案している.
 すなわち,一対のキャパシタとそれらを直列あるいは並列に切り換える複数のスイッチによって回路ブロックを構成し,その回路ブロックをn段直列に接続して蓄電部を構成する.そして,蓄電部の出力電圧を常に電力変換器の許容入力電圧内に維持するために,各回路ブロック内のキャパシタの接続を直列あるいは並列に切り換える.
 さらに,並列モニタを用いることなく,充電時には,所定の短いインターバル時間毎にブロック電圧の高い回路ブロック内のキャパシタを優先して並列化し,放電時には所定の短いインターバル時間毎にブロック電圧の高い回路ブロック内のキャパシタを優先して直列化することにより,キャパシタの端子間電圧のばらつきを抑制し,蓄電装置の充放電効率を向上させている.


■ 非線形システムに対するFRITを用いたCMAC-PID制御器の一設計

広島大学・脇谷 伸,愛媛大学・大西義浩,広島大学・山本 透

 本論文では,Fictitious Reference Iterative Tuning (FRIT)と小脳演算モデル(Cerebellar Model Articulation Controller: CMAC)を融合した非線形PID制御器の設計法について提案する.従来のCMACは学習に長時間の実験を必要とする場合があり,その有効性が示されながらも実用化が困難となっていた.本手法によれば,CMACの学習にFRIT を用いることで,あらかじめ一回の実験によって得られた入出力データからCMACのオフライン学習が可能となる.本論文では,はじめに提案手法について説明し,数値シミュレ ーションによってその有用性について検証する.検証の結果,固定のPID制御系によって取得された入出力結果を用いてCMACがオフラインで学習され,非線形システムに対して良好な制御結果を得られることを確認した.


■ 箔状圧電センサを利用した頸髄損傷患者のためのPC操作インタフェース

広島大学・島 圭介,杉江研勇,芝軒太郎,熊本高等専門学校・卜楠,
産業技術総合研究所・上野 直広,広島大学・辻 敏夫

 本論文では,重度肢体不自由者が日常生活においてパーソナルコンピュータ(PC)を操作できるインタフェースの実現を目指し,箔状圧電センサを利用した筋の動き(筋動)の計測法を提案するとともに,それを利用したPC操作システムを開発する.提案システムでは柔軟,小型かつセンシティブな箔状圧電センサを用いて計測した筋動信号から動作ごとの力強さや素早さを表す情報を抽出・識別する.また,ニューラルネットをシステムに導入することで,個人差などによる筋動情報の違いを学習して操作者の動作を推定可能である.さらに,操作方法に複数の制御モードを導入することにより,実行可能な動作数が少ない場合でもPC操作を可能としている.
 実験では箔状圧電センサをマスクに装着したマスク型インタフェースを開発し,筋動情報と筋電位信号の同時計測を行うことで頬の動きを精度良く捉えられることを確認した.また,頸髄損傷患者を含む被験者3名に対してPC操作実験を行い,両頬の動作を用いてPCを随意的に操作可能なことを示した.


■ 超高速画像処理カメラによるトンネル形状自動計測装置

神戸製鋼・高橋英二,迫田尚和,朝日賢一,福本陽三

 鉄道の保線作業において、トンネルやプラットフォーム等の大型構造物を高速・高精細に自動で三次元形状計測する技術を開発し、線路上の障害物を自動検査する自走式の「軌道障害物検査装置」を実用化した。光切断法を基に、実用上課題となる周辺環境光のノイズ除去手法などを専用の信号処理回路と新規の画像処理手法により解決し、装置の小型化と実用的なメンテナンス性を実現した。本装置によって、鉄道の保線作業の一層の効率化が期待される。


■ 駆動系を活用したSteer-by-Wireの耐故障制御系設計

デンソー・伊藤 章,名古屋大学・早川義一

従来Steer-by-Wireの安全設計では,故障発生時ステアリングホイールとラック軸を機械的に結合したり,バックアップモータへ切り替えるなどして操舵機能を確保する方法が検討されてきた.
しかしこれらの方法は,迅速な故障検出が必要であったり,重量増加,コストアップ等によりSteer-by-Wireの利点が失われるという問題があり,安全性確保が製品化する上での最大の課題である.
そこで本論文では,目標値と制御量の偏差挙動に基づき故障の影響を駆動系で補償する耐故障制御系を提案する.上記制御系は,駆動系をバックアップアクチュエータとして使用すること,制御量に故障の影響が現れた時点から補償を開始することから,検出時間や重量,コストの問題が解消されるという利点がある.


■ 牧羊犬制御のモデル化

京都大学・東 俊一,田淵 絢子,杉江 俊治

 本論文では,多数のエージェントを少数のエージェントを用いて制御する問題の一例として,牧羊犬による羊群の制御に着目し,これらのモデル化を行った.最初に,実際の羊群の動きを観察し,「羊同士は群れる」や「羊は牧羊犬から離れる」という代表的な振る舞いを抜き出し,それを再現する数学モデルを構築した.つぎに,牧羊犬が群れの外側に存在する羊を群れの内側に移動させるという簡単な方針により,羊群が制御されていると考え,これを牧羊犬の制御アルゴリズムとしてモデル化した.最後に,導出したモデルを用いて数値シミュレーションを行い,それが実際の羊群制御の様子を定性的に表現していることを確認した.


■ 連続時間系の制御リアプノフ関数に着目した1サンプル遅れを持つディジタル制御

東京エレクトロン宮城・草野 周,北海道大学・山下 裕

 近年,Gruneらは,非線形連続時間制御系の挙動を良く近似するディジタル制御則設計法を提案した.本研究では,Gruneらの研究を改良し,ディジタル計算機による制御則計算のために1サンプリング遅れを許容するディジタル再設計手法を提案する.また,精度を維持すべき量として専属時間系の制御リアプノフ関数を選び,基準となる連続時間制御則としてSontag型制御則を用いた場合,妥当な仮定の下で設計可能条件が満たされることを示す.さらに,原点近傍を除く任意のコンパクト領域でのリアプノフ関数の単調減少性が小さいサンプリング周期に対して満たされることを示し,提案法の準大域的実用一様漸近安定性を証明する.


■ NCフライス盤の経路制御

神奈川大学・江上 正,天野桂介

 著者らはすでに,任意曲線で表された目標経路に対して,経路を離散的な点集合で表し,最短目標点探索と回転移動座標変換を組み合わせた経路制御手法を提案してきている.この手法は数式で表すのが困難な任意曲線経路目標値に対してもそのまま適用可能な方法であるが,進行方向速度は変動してしまう性質を持っていた.
 NCフライス盤の制御においては,切削精度向上のために経路制御が重要になるが,削り面粗さを一定にすることも必要不可欠であり,このために進行方向速度を一定に保つことは重要である.このため本論文では提案している経路制御手法に対して進行方向に速度位置制御系を構成して速度を一定にするように改良し,NCフライス盤に適用して実際の有効性を検証している.
 市販のNCフライス盤をメカニカル部分は共通で、元から組み込まれているNCコントローラと任意に制御則を構築できるパソコンとの切り替えが可能なように改造し,実際の切削加工に対する提案している制御則による効果を検証している.その結果,経路制御を用いると経路誤差の低減が図れ,提案手法であればさらに進行方向速度の変動も抑えられ,削り面粗さの改善も得られることが確かめられている.


■ 実世界ハプティクスのための最適化問題に基づく摩擦同定法

慶應義塾大学・下市 拓真,桂 誠一郎

 近年,実世界の触覚情報を扱う学問として実世界ハプティクスと呼ばれる分野が活発に研究されている。実世界ハプティクスではアクチュエータを用いて触覚情報を扱うため,より鮮明な触覚情報を扱うためにはアクチュエータの摩擦の影響を制御的に補償する必要がある。そこで本論文では,最適化問題に基づき,アクチュエータの摩擦を同定する一手法を提案する。提案手法は最適化問題の求解法である焼き鈍し法を用いることで実現される。


 
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