講習会「ロボット制御の実際 in Nagoya」

主催:計測自動制御学会中部支部,計測自動制御学会SI部門

企画:SI部門ロボティクス部会

協賛:計測自動制御学会東海支部,日本機械学会,システム制御情報学会,日本ロボット学会,

電気学会,精密工学会,電子情報通信学会,日本航空宇宙学会

現在,ロボットの制御技術に関しては個々の研究機関で独立に研究開発が行われ,その評価も個々の実験装置で行われております。ロボットの制御技術を確立するためには共通の評価方法および評価装置が必要であると考え,ロボティクス部会の中で標準となる実験用ロボットを製作しました。さらにこの標準ロボットを実施例とし,すでに確立された制御技術をテキストにまとめ「ロボット制御の実際」として出版致しました。標準ロボットのために製作した基礎的なロボット制御のソフトウエアばかりでなく,実際に実験に用いたプログラムソースやその制御動作のビデオもCD-ROMとして添付されています。ロボットアームの制御実験がすぐにできることを目的としており,新しい制御方式の比較検証のみでなく,教育用にも十分適用可能です。このようなことから本部会は,1998年7月に川崎で,同年12月には京都で,そして1999年11月には熊本でこのテキストを教材とし標準ロボットの実演も交えながらの講習会を開催いたしました.毎回大変好評であったため,このたびは本講習会を中部地区に場所を移して行うことといたしました。

期  日:

2000年6月26日(月)

場  所:

名古屋工業大学講堂2階会議室

名古屋市昭和区御器所町,電話(052)735-5348,

交  通:JR中央本線鶴舞駅下車,徒歩10分,

http://www.nitech.ac.jp/gene_inf/g20/g20index.html

講義内容(予定):

9:00〜10:30 SICE-DDアームの運動学と動力学 

神戸大学 田所 諭 君

ロボットの運動学,動力学は制御のための重要な基礎である.本講演では,一般的なロボットの運動学,動力学について論じるとともに,それをSICE-DDアームに適用する.

10:40〜12:30 SICE-DDアームのモデリングと運動制御

京都大学 大須賀公一君

本講では,SICE-DDアームを例に,ロボットのパラメータ同定法とモデルベースト制御の基礎について述べる。パラメータ同定においては,ロボットの運動方程式が基底パラメータとして定義される定数パラメータに関しては線形代数方程式と見なせることがポイントとなる。モデルベースト制御ておいてはパラメータが既知とした場合の非線形補償方式および未知とした場合の非線形適応制御方式やロバスト制御方式について述べる。

13:30〜14:30 SICE-DDアームの力制御

NTT 岩城  敏君

環境との物理的な接触を伴うロボット作業において,力/コンプライアンス制御の重要性について具体例を示し説明する。次にこれまで提案されてきた代表的な力制御手法を概観し,操作量の種類という観点から分類整理しつつ解説する。そのなかで,位置制御を内包する手法,関節トルクを直接操作する手法を取り上げ,コントローラ内での計算手順を紹介する。最後にこの二つの手法をSICE-DDアームを用いた簡単な実験により比較した結果について解説する。

14:40〜16:00 SICE-DDアームのソフトウェアシステム

電子技術総合研究所 北垣 高成君

SICE-DDアーム用に提供されているソフトウェアシステムの設計指針および具体的機能について述べる。同システムは様々な制御アルゴリズム検証実験を支援できるよう,制御実験に適した高速性とリアルタイム性を有し,かつ容易なソフトウェア蓄積およびシステム改造が可能であることを設計指針として開発された。同システムの提供する高速かつ移植性の高いC言語ライブラリを用いることで,ユーザは煩わしい下位レベルのデバックから解放され目的の実験に集中することができる。

16:10〜17:30  SICE-DDアームのプログラミングとデモンストレーション 

東芝R&Dセンター 大明準治君

本講では,実機を動作させるために必要な技術を紹介し,実演を行う.まず,パソコンでロボットをリアルタイム制御するためのOSの選択と使いこなしについて述べる.次にSICE−DDアー ムとユーザのパソコンとのインタフェース,ライブラリソフト(CD−ROM)の移植の仕方について述べる.最後に,制御プログラムソースの例を示しながら,位置制御や力制御の実演を行う.

参 加 費:

一般10,000円,学生7,000円 テキスト「ロボット制御の実際(コロナ社)」(CD-ROM付)含む

定  員:

50名

申込方法:

はがき大の用紙に「講習会ロボットの実際−参加申込」と題記し(1)氏名(ふりがな),(2)勤務先の名称・所属・部課名・所在地,(3)通信先,(4)会員資格を記入のうえ,参加費を添えてなるべく開催日の10日前までに着金するよう,現金書留で下記あてお申し込みください。また,参加証の発行は開催日10日前ころになりますが,発行後は取り消しのお申し出がありましても参加費はご返金いたしませんのでご注意ください。

申込・問合せ先:

〒113-0033 東京都文京区本郷 1-35-28-303 (社)計測自動制御学会

電話(03)3814-4121,FAX(03)3814-4699