制御理論ワーキングセミナー
非線形づくし − 現象の多様性とその制御

下記の通り,セミナーを開催いたします.関心をお持ちの方は,どなたでもご自由にご参加ください.

主 催:計測自動制御学会中部支部

日 時:平成17年1月31日(月) 13時30分〜18時00分

場 所:名古屋大学工学部2号館241講義室

プログラム

13:30〜14:50
結合発振器に生じる Amplitude Death 現象
講師:小西 啓治 君(公立はこだて未来大学)

概要:異なるパラメータを有する発振器を拡散的に結合すると,発振が停止する場合がある.この現象は Amplitude Death と呼ばれて物理分野で古くから研究されている.それぞれの発振器が同一のパラメータを有する場合,この現象は生じないが,遅延時間を含んだ結合がこの現象を誘発するとの報告がなされている.本講演では,この遅延時間結合に伴う Amplitude Death 現象の紹介と,遅延時間制御(DFC)との関連を明らかにする.


15:00〜16:20
ハミルトン系の制御 −力学系の特性を活かした制御
講師:藤本 健治 君(名古屋大学)

概要:力学系の特徴を陽に表したモデルの一つとして力学で用いられるハミルトン系がある.本講演ではロボットや電気-機械系をハミルトン系を用いてモデル化し,受動性を用いて制御する手法を紹介する.ハミルトン系を用いて系をモデル化することで,力学系の構造を改変せずに・あるいは少しの改変のみで制御を行うことができ,結果として簡潔でモデル化誤差等に対してロバストな制御系を構成できる.本講演では,この分野のこれまでの研究結果とともに,今後の展望についても述べる.


15:00〜16:20
非線形システムに見られる現象の多様性:制御との共存
講師:引原 隆士 君(京都大学)

概要:非線形システムは状態空間において複数の共存解を持ち,それぞれの解および大域的な解の間の遷移がシステムの挙動を支配する重要なダイナミクスを与える.非線形システム固有のダイナミクスを生かしてシステムの制御を行なうという考え方は制御工学者にとって受け入れがたいものであるが,そのエネルギーや応答性という側面から新たな制御手法を与える可能性がある.講演では,複数の非線形システムとそのモデルなどの例を取り,非線形システムの持つ多様性と制御の共存の可能性を述べ,その一般化への可能性を議論する.また,システムの次元と現象との関係についても可能であれば触れる.
 

問合先
名古屋大学航空宇宙工学専攻  坂本登
Tel: 052-789-4499,E-mail:sakamoto@nuae.nagoya-u.ac.jp

  


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