TOP学会案内行事お知らせ出版物リンクその他

[SICE]



分野別要件

2001年5月22日 SICE教育認定委員会決定

分野別要件     V0.6 (SICE)   (試行用)

― 計測・制御・システム工学およびその関連分野 ―

この要件は計測,制御,システム工学およびそれらに関連する分野(以下本分野という)の技術者教育プログラムに適用される.本分野は,伝統的な工学分野がいわば縦割りに構成されているのに対し,それらの領域を横断的に結びつけるような工学分野である.よって従来の領域区分の中で教えられているプログラムであっても,その考え方や技術が他の領域でも使えるということを学生に理解させていればこの基準が適用される.
  1. 学習・教育目標
     本プログラムの修了生は以下の能力・技術を身につけている必要がある.
    (1)本分野を学ぶために必要となる応用数学の知識.
    (2)本分野を学ぶために必要となる自然科学の知識.
    (3)コンピュータを道具として使いこなすための基礎知識.
    (4)本分野の工学横断的な性格により必要となる共通的かつ基礎的な工学の知識.
    (5)本分野の主要分野(計測/制御/システム工学)の専門知識.
    (6)本分野における実験,実習あるいはシミュレーション演習.
    (7)本分野に関係する実際の工学システムを理解し,日本語および外国語で明確に説明する能力.
  2. 教員
    (1)教員団には技術者資格を有する教員,または実務について教える能力を有する教員を含むこと.

解説

上記学習・教育目標の具体例を表1に示す.これは一つの例であって,ここに掲げた内容をすべて含む必要はないし,文字通り同じ内容を要求するものでもない.ここに示す方向性をもち,それぞれのプログラムの教育目標に合致する深さをもつ内容であればよい.

表1 学習・教育目標の具体例

項目

学習・教育目標

応用数学

下記のうち3つ以上
(1)ベクトル,行列,行列式,固有値,固有ベクトル
(2)微分,積分,微分方程式の解法
(3)母集団と標本,各種統計量,確率分布,推定と検定
(4)複素関数,極,留数,複素積分
(5)フーリエ変換,ラプラス変換,z変換

自然科学

下記のうち3つ以上
(1)質点と剛体の力学,運動方程式,振動と波動
(2)電界と電気力線,磁界,電流と磁束,電磁誘導
(3)熱力学の第1法則,第2法則,エントロピー
(4)化学の基礎
(5)物理学,化学以外の自然科学の基礎

コンピュータ

下記のうち3つ以上
(1)コンピュータの原理,基本概念,基本用語
(2)電子メール,インターネットの仕組みとマナー,使い方
(3)ファイルシステムの概要,市販のソフトウェアによる文書作成・計算・データ処理
(4)コンピュータ言語によるプログラム作成,コンパイル,実行
(5)ネットワークへの接続,ハードウェアの変更・増設・設定

基礎工学

下記のうち2つ以上
(1)機械工学の基礎
(2)電気・電子工学の基礎
(3)情報工学の基礎
(4)化学工学の基礎
(5)経営工学の基礎
(6)エネルギ工学を含む内容
(7)材料工学を含む内容
(8)上記以外の共通的,基礎的工学

主要分野

計測

下記のうち5つ以上
(1)単位と標準 (2)不確かさと精度 (3)信号変換・伝送 (4)インタフェース (5)信号処理 (6)画像処理 (7)機械量計測 (8)電気量計測 (9)光・音響計測 (10)生体計測 (11)化学量計測 (12)プロセス計測 (13)ロボット用センサ (14)動特性の計測 (15)パターン計測 (16)リモートセンシング

制御

下記のうち5つ以上
(1)信号流れ図・ブロック図 (2)伝達関数 (3)周波数応答 (4)フィードバック制御 (5)プロセス制御 (6)状態フィードバック (7)オブザーバ (8)安定性 (9)同定 (10)シミュレーション (11)制御系CAD (12)サーボ機構 (13)シーケンス制御 (14)アクチュエータ (15)ロボット制御 (16)自動化機器

システム工学

下記のうち2つ以上
(1)要素技術を組み合わせて有用な工学システムを構築するための方法論
(2)要素技術を組み合わせて新しい機能を有する工学システムの構築を行う事例
(3)学生が自らの創意工夫により,要素技術を組み合わせて,まとまった工学システムを作り上げるという体験

実験,実習,演習

(1)本分野における実験または実習またはシミュレーション演習
(2)上記において十分に用意された装置,ツールを理解し,使いこなすこと
(3)上記において学生が結果を解析し,吟味し,評価すること

理解,説明

(1)本分野に関連する実際の工学システムの理解
(2)本分野に関連する技術的内容を日本語で明確に説明する能力
(3)本分野に関連する技術的内容を外国語で説明する能力の基礎
(4)学生が自分の勉学・研究の成果を聴衆の前で発表する能力

HOME

Copyright (C) 2001 (社)計測自動制御学会