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[SICE]



JABEEにおける「計測・制御・システム工学およびその関連分野」の独立にむけて

委員長  青島 伸治

2001年7月12日

SICE教育認定委員会は、昨年来JABEEに対し「計測・制御・システム工学およびその関連分野」を設置するよう要望してまいりました。本年4月初めにJABEEより、分野として認めるためにはその分野で認定を希望する大学等のプログラムが相当数存在することが必要であるがそれがどの位あるのか、という問い合わせがありましたので、急遽全国の大学のSICE関係者にメールで将来「計測・制御・システム工学およびその関連分野」で認定を受ける可能性があるかを調査いたしました。その結果41の大学・高専から肯定的な返事をいただきましたのでそのリストをJABEEに提出いたしました。しかしながらその後JABEEからは、認定を申請するプログラムが実際にどれだけあるかなお見極める必要がある、との非公式な連絡があったのみで「計測・制御・システム工学およびその関連分野」はいまだにJABEEの分野として正式に認められてはおりません。

一方認定試行については、12年度に機械学会を窓口として東京工大制御システム工学科について「計測・制御・システム工学およびその関連分野」の分野別基準(現在は分野別要件)を適用して実施いたしました。13年度は岡山大学システム工学科および小山高専から「計測・制御・システム工学およびその関連分野」で認定試行を行いたいとの申請がJABEEになされましたが、この分野は認められていないということで、岡山大学は機械分野、小山高専は電気分野として審査を受けることになりました。SICEとしては機械、電気それぞれの分野別要件の中にわれわれの考えを反映させるべく努力しています。

将来「計測・制御・システム工学およびその関連分野」がJABEEの分野として認められるかどうかは不明ですが、教育認定委員会としてはそれをめざして引き続き努力し、認められたときにはすぐに対応できるよう準備を進めております。

以下に「計測・制御・システム工学およびその関連分野」が認められるためにはどうしたらよいかについての私の個人的考えを述べさせていただきます。

多数の大学・高専から認定の申請が出されることが必要ということですから、多数の大学・高専で計測・制御・システム工学関連のプログラム(コース)が設置されていることが必要で、そのためには社会(受験生、企業)からの要請が大きいことが重要です。大学・高専にとっては優秀な受験生が多数集まることが大きな関心事で、そのためには人気のある魅力的なコースを設置しなくてはなりません。どんなコースが魅力的かといえば、受験生気質の気まぐれはあるにせよ、長い目で見れば社会にとって重要で必要性の高いところに結局人は集まると思います。そこで計測・制御・システム工学関連の技術者は社会にとってどれほど重要で必要度が高いかということになります。SICEの会員であればその重要性を十分認識していると思いますが、それ以外の一般の人にとって計測・制御・システム工学関連の技術者はどのように見られているのか。特に製造業の現場に近いところにいる人たちがどのように認識しているかが重要と思います。私自身は企業にいた経験がないので、計測・制御・システム工学関連の技術者が企業でどれほど重要視されているのか、あるいはされていないのかわかりません。

もし計測・制御・システム工学関連の技術者が産業界にとって本当に重要であるならば、企業所属のSICE会員の方はそのことを積極的に大学関係者に言っていただきたいと思います。従来の日本では、産業界が大学に注文を出すのは難しかったと思いますが、現在では状況は変化してきています。JABEE自体、産業界の声を大学に反映させる有力なしかけと考えられています。SICE教育認定委員会も同じ役割を果たすことを考えていますので、大いに利用していただきたいと思います。

またもし計測・制御・システム工学関連の技術者が産業界においてそれほど重要でないとみなされているとしたら、われわれは大いに考える必要があります。本当に重要でないのなら衰退し消滅してもやむを得ませんが、私はそうは考えておりません。計測・制御・システム工学関連の技術者こそが今後の日本の産業界を再び隆盛に導く鍵を握っていると信じています。本当は重要であるのにそう認められていないとしたら、どのようにして認めさせるかですが、技術者としては証拠を見せるのが一番と思います。計測・制御・システム工学の知識と手法を使うことによりこれだけの成果があがったということを実例で示し、PRすることです。また技術者というものは重要な仕事であると確信できることに熱中しているときが最も楽しいはずです。人間にとって楽しいということは重要なことです。計測・制御・システム工学関連の技術者はこんなに重要な仕事をしているのでこんなに楽しいということを示すことにより、自然に周囲の評価も高まり、重要性も認められるようになると思います。

SICE関連技術者の連帯を深め、存在を誇示するため計装エンジニアの活動に期待しています。計装エンジニアの数が増えることも重要なので、多くの方が計装エンジニア資格を取られることを希望します。またSICEで新しく産業論文の制度を始めることになりましたが、企業の技術者の方が多数の産業論文を執筆することになれば自然に技術力も高まり、周囲の評価も上がると考えます。さらに最近必要性が叫ばれている継続教育(CPD)についても、SICEが積極的に取り組み、成果を上げることにより、われわれの分野の重要性を認識させる一助になると考えます。このような方法は一見迂遠に見えますが、じつはわれわれの目標を達成する一番の近道であると考えています。

一方、短期的にはこの1,2年のうちにいくつかの大学・高専から「計測・制御・システム工学およびその関連分野」を意識した認定申請が出されることがきわめて重要であると思いますので、大学関係のSICE会員の方にはぜひともよろしくお願いいたします。


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