計測と制御 2009年5月号

VOL. 48, 2009

ミニ特集「サービスの視覚化に関する新潮流」

最近,サービス・サイエンスやサービス工学と言う,「サービス」に関する研究領域が注目されている.サービスは従来,マーケティングなどの分野で主に扱われていた.しかし,情報通信技術の進歩と浸透に伴い,この情報通信技術を活用した形でのサービスに関する研究が出てきている. サービスという行為が多様であるように,この新しい研究領域が包含する研究開発課題は,多様である.たとえば,サービスの効率を上げるための技術を始めとして,サービスの生産性の定量化,サービスの評価,サービスのリスクマネージメント,仕事のワークフローの最適化,組織全体の最適化などの課題がある.関連する分野も,社会科学,経営科学,情報科学,ユーザビリティ工学などと,さまざまである. 以上のように課題や関係分野はさまざまであるが,「勘と経験に頼っていたサービスを,科学的に体系化された知識と方法に変える」という「サービス」に関する研究の目的からすれば,まずは「勘と経験に頼っていたサービス」を視覚化して理解することが重要である.これができてはじめて,「科学的に体系化された知識と方法に変える」ことに取組むことが可能となる. 本企画では,このようなサービスの視覚化に関する研究開発の取組について,概要を紹介すると同時に,社会科学,経営科学,情報科学,ユーザビリティ工学などの関連の深い分野から,その結果の体系化について議論を加える.想定執筆者は,関連の深い分野で活躍している企業の第一線の研究者が多く,実際のサービスの事例に基づいた解説をしていただけると考えている.これによって読者は,サービスの視覚化に関する研究開発の現状を知ることができるだけでなく,企業や社会に変革をもたらしてゆくであろう,この分野の成果の今後の活用法を知ることができる.

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