計測と制御 2013年11月号

VOL. 52, 2013

特集「都市のスマートセンシング」

 東日本大震災からの復旧・復興,およびスマートシティの実現という2つの観点から,建築や都市を対象としたセンシングが研究され,応用されつつある.2009年ごろからスマートグリッドが大きな話題となり,スマートな電力網の実現に留まらず,スマートコミュニティ,スマートシティの実現へ向かう大きな動きにつながった.そこに東日本大震災が起こり,復旧・復興に向けた取り組みと並行して,電力不足問題を解決するための環境技術の実用化が加速し,スマートハウスの実証実験も広く行われるようになった.電力をセンシングして「見える化」するシステムが広く実用化されるとともに,センシングしたデータは,クラウドサービスと接続され,合理的なコストで継続可能なしくみとしてのセンサ・ネットワーク・クラウドシステムが確立しつつある.これらは,ビッグデータとして扱われ,さまざまな情報と共に分析することにより,建築や都市のサステナビリティ,安心・安全の確保などへの応用が期待されている.また,日常的な用途のアプリケーションと,地震や津波などの非常時に必要とされるアプリケーションを連携させるような情報提供のあり方も検討されている.そこで本特集では,センシングやネットワーク技術の研究開発と応用の両面から,現代から近未来の都市を対象としたスマートセンシングについて最新動向を紹介し,新しい展開へつなげる内容とする.

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