特別講演・特別企画・制御工学教員協議会


特別講演1

日時: 11月10日(月)16:45〜17:45
谷口恒氏
会場: 特別講演会場(インペリアル,00室)
講師: 谷口恒 氏(株式会社ZMP 代表取締役社長)
演題: ロボットと自動車、自律移動技術の可能性
概要: ロボットベンチャーとして創業したZMPでは,独自の高度な技術とベンチャーならではの圧倒的なスピー ドで,自動運転の研究開発を行っている.注力分野は,インテルと共同開発をしている自動運転用コンピュータ (IZAC)や人の目に代わるインテリジェントな車載カメラの開発.ほぼ全ての自動車及び主要部品メーカ, 大学・研究機関等と取引があり,自動運転技術・高度運転支援システムの開発ツール RoboCarRシリーズは,これまで500以上の導入取引実績を誇る.世界中の叡智と日本のものづくりの力を結集させ実現する,自動運転の未来をご紹介 する.
略歴: 制御機器メーカで商業車のABSの開発エンジニア,商社で技術営業を経験の後,ネット上でのコンテンツ 流通会社設立などを経て2001年ZMP創業.家庭用二足歩行ロボット,自律移動機能を持つ音楽ロボットの 発売を経て2009年より自動運転や高度運転支援技術の開発用車両RoboCarシリーズを開発.2014 年より物流支援ロボットCarriRo,心臓見守りクラウドサービスheartomoの開発など事業領域を 拡大,総合ロボット会社を目指す.
司会: 山田功 氏(群馬大学)

特別講演2

日時: 11月11日(火)13:30〜14:30
銅谷賢治氏
会場: 特別講演会場(インペリアル,00室)
講師: 銅谷賢治 氏(沖縄科学技術大学院大学 教授)
演題: 観測と制御の双対性と脳アーキテクチャー
概要: 線形ガウス系の観測器と制御器の形式的な双対性はカルマン以来教科書的に知られているが,その実質的な 意味についてトドロフ,カッペンらが最近新たな洞察を行い,一般的なベイズ推定と非線形制御に対して共通の アルゴリズムが適用できるという可能性が示されている.本講演ではこの双対性の新たな展開について紹介する とともに,その観点から大脳皮質の感覚野と運動野が,類似した回路構造でいかに異なる機能を実現し得るのか について議論する.
略歴: 1986.3 東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻 修士課程修了
1986.4 東京大学工学部計数工学科 助手
1991.7 カリフォルニア大学サンディエゴ校生物学科 客員研究員
1991.9 東京大学大学院工学系研究科 博士(工学)
1993.10 ソーク生物学研究所 研究員
1994.10 ATR人間情報通信研究所 主任研究員
1995.4 奈良先端科学技術大学院大学 客員助教授
1996.10 科学技術振興事業団 川人学習動態脳プロジェクト グループリーダー
1999.11 科学技術振興事業団 戦略的基礎研究推進事業「脳を創る」領域 研究代表者
2003.5 ATR脳情報研究所 計算神経生物学研究室 室長
2004.4 沖縄科学技術大学院大学 先行研究 神経計算ユニット 代表研究者
2006.4 奈良先端科学技術大学院大学 客員教授
2010.4 京都大学大学院 情報学研究科 連携教授
2011.11 沖縄科学技術大学院大学 神経計算ユニット 教授
2011.12 沖縄科学技術大学院大学 副プロボースト(研究担当)
2012.9 Scientific Technical Committee, Italian Institute of Technology

1999-2002 日本神経回路学会 理事(2001-2002 副会長)
1999-2003 神経情報科学サマースクール ディレクター
2004- Okinawa Computational Neuroscience Course コオーガナイザー
2008- Neural Networks 共同編集長
2009-2011 International Neural Network Society 理事
2010 第33回日本神経科学大会(Neuro2010)プログラム委員長
2011 日本神経回路学会第21回全国大会(JNNS2011)実行委員長
2013 College of Fellows, International Neural Network Society
2000, 2003, 2005, 2006 日本神経回路学会 論文賞
2007 第3回日本学術振興会賞,第21回塚原仲晃記念賞
2010 ニューロクリアティブ研究会 2009年度創造性研究褒賞
2008, 2010, 2014 全日本トライアスロン宮古島大会 年代別3位入賞
2012 平成24年度文部科学大臣表彰・科学技術賞


研究分野 人や動物が,試行錯誤の中から多様かつ巧みな運動パターンや行動戦略を獲得するメカニズムに興味を持ち 研究を行っています.工学部時代には,ロボットによる歩行運動の学習,人工神経回路網のパターン生成の研 究,サンディエゴのポスドク時代には,ロブスターのcentral pattern generator,小鳥の歌の学習機構の研究を行っていました.帰国後はATRで,報酬にもとづく行動学習の理論である「強化学習」のアルゴリズムとそ のロボットへの応用,大脳基底核の回路とドーパミン,セロトニンなど神経修飾物質系の機能のモデルの研究を 行ってきました.2004年4月から沖縄に移住し,ラットの生理実験グループを新たに立ち上げ,理論,ロ ボットグループと合わせ,行動学習の回路と物質機構のモデル化とその検証実験を行っています.
司会: 宮里義彦 氏(統計数理研究所)

特別講演3

日時: 11月11日(火)19:30〜20:30

横島英俊 氏


赤阪大介 氏
会場: 11室(9階 天の川)
講師: 横島英俊 氏(MathWorks Japan 第四営業部〔高等教育機関担当〕部長)
赤阪大介 氏(MathWorks Japan アプリケーションエンジニアリング部)
演題: もっと使えるMATLAB〜教育向けソリューションと最新機能のご紹介〜
概要: 誕生から30年間、世界の科学技術の発展に貢献するMATLAB®/Simulink®は、研究だけで なく教育の分野でも貢献すべく進化を続けています.
本講演では授業や実習におけるMATLAB/Simulinkの活用方法を、日本および世界の大学における 活用実績や種々の教材事例、大規模公開オンライン講座(MOOC)の事例を交えてご紹介します.また、近年 話題の低価格ハードウェアとの連携機能について、LEGOやArduinoなどを例にご紹介します.また、 年に2回のバージョンアップにより機能強化を続けるMATLAB/Simulinkの最新機能をデモンスト レーションを交えて紹介します.MATLAB/Toolboxに導入された最新の関数や、進化を遂げた Simulinkのモデルエディタ機能などをご覧いただけます.
世界中の大学や産業界、研究所で幅広く利用されている科学技術計算ソフトウェアの最新情報をぜひご覧くださ い.
略歴: 横島英俊 氏
1996年3月 北海道大学 理学部数学科卒業
その後、日本電気通信システム株式会社などを経て、2009年7月より現職.

赤阪大介 氏
MathWorks Japan
アプリケーションエンジニアリング部
2009年3月 千葉大学大学院 自然科学研究科修了 博士(工学)
その後、日本フイツシヤ株式会社を経て、2011年5月より現職.
司会: 橋本誠司 氏(群馬大学))

特別講演4

日時: 11月12日(水)8:30〜9:30
鳥居建男氏
会場: 特別講演会場(インペリアル,00室)
企画: 日本航空宇宙学会
講師: 鳥居建男 氏(日本原子力研究開発機構 福島研究開発部門福島環境安全センター 特任参与)
演題: 福島第一原発事故を踏まえた遠隔放射線モニタリング技術の現状と今後への期待
概要: 東日本大震災により発生した福島第一原発事故によって,放射性物質が広い範囲にわたって拡散した.放射 性物質が大規模に拡散した環境でその分布状況を迅速に把握し,対応策を検討するためには,航空機モニタリン グ等による“面”的な広域サーベイが有効である.しかし,放射線量率の高い地域や山林,海上など容易に人が 近づけないところ,多量の放射性物質を含む山林等で火災が発生した時など,地表面,海表面での放射線量率分 布や大気中の放射性物質濃度を迅速に把握するためには,無人航空機によるモニタリングが極めて有用であると 思われる.本講演では,福島第一原発事故の経験から航空機や無人ヘリを用いた遠隔モニタリングの実際と無人 飛行機を用いた遠隔モニタリング技術の原子力防災ツールとしての期待について述べる.
略歴: 1982年,旧動力炉・核燃料開発事業団(現・原子力機構)に入社後,高速実験炉「常陽」,高速増殖原 型炉「もんじゅ」等の原子炉施設で放射線計測,環境中の放射線挙動に関する研究,業務に従事する.2011 年5月,福島第一原発事故の発生により原子力機構に福島支援本部(現・福島研究開発部門)が設置され,敦賀本部安全推進部長から福島支援本部の研究主席として福島事故対応にあたる.放射性物質の面的な広がりを捉え るため,航空機モニタリングをはじめ,無人ヘリや無人飛行機を用いた遠隔モニタリング技術の開発と福島でのモニタリング業務に従事する.
司会: 佐藤昌之 氏(JAXA)

特別企画1

日時: 11月10日(月)13:15〜16:15
会場: 特別講演会場(インペリアル,00室)
企画: システム制御情報学会
計測自動制御学会SI部門 スワームシステム部会

科研費基盤研究(A) 生物の群れの行動生物学的理解に基づいた集合的知性の構成と人工物の群れ創成
演題: パネル討論「群れを理解し操り創る」
パネリスト:
   群れ形成と個体の自由の共立
   理論生命科学:郡司幸夫(早稲田大学)
   
   創発現象を工学に結びつけることはできるか? ? マルチエージェントシステムからの可能性
   マルチエージェント工学:玉圭樹(電気通信大学)

   個体が群れの大きさを「見ないで知る」方法
   進化生態学:辻瑞樹(琉球大学)

   群れを制し御する
   システム制御工学:滑川徹(慶應義塾大学)

   個体がグローバル情報を推測し分散的行動を変化させている可能性
   ロボット工学:松野文俊(京都大学)
司会: 松野文俊 氏(京都大学)

特別企画2

日時: 11月11日(火)15:00〜16:15
会場: 特別講演会場(インペリアル,00室)
企画: IFAC特別企画(1)
演題: IFAC World Congress 2014 に見る研究の動向と展開
概要: 15:00〜15:15
 IFAC 2014 概要報告
 原辰次(東京大学)
15:15〜15:35
 エネルギー、スマートグリッドに関する研究動向
 小島千昭(東京大学)
15:35〜15:55
 ネットワークと制御に関する研究動向
 早川朋久(東京工業大学)
15:55〜16:15
 メカトロニクス・ロボット制御に関する研究動向
 伊吹竜也(東京工業大学)
司会: 井村順一 氏(東京工業大学)
日時: 11月11日(火)16:30〜18:00
会場: 特別講演会場(インペリアル,0室)
企画: IFAC特別企画(2)
演題: パネル討論「日本がリードする制御の未来」: IFAC World Congress 2023 誘致に向けて
パネリスト:
  淺間一(東京大学)
  大西公平(慶応大学)
  椹木哲夫(京都大学)
  水野毅(埼玉大学)
  山口高司(リコー技術研究所)
司会: 原辰次 氏(東京大学)

制御工学教員協議会
      (制御工学教員協議会 会員のみ公開)

日時: 11月12日(水)12:30〜13:15
木村英紀氏
会場: 特別講演会場(インペリアル,00室)
1.総会
2.集会(講演会)
講師: 木村英紀 氏(独立行政法人 科学技術振興機構 研究開発戦略センター 上席フェロー)
演題: 日本における科学技術の振興戦略について
概要: 「デジタル化」から「システム化」の時代に入り,システム科学技術が解決しなければならない課題は増え しかも深刻になりつつある.日本では個別の要素技術は強いがシステム技術は海外に遅れをとっている.政府の fundingでも,この分野は「忘れられた領域」となっている.この反省に立ってこの分野の振興を図るための戦略が模索されている.関連するJSTにおける現状を延べ,海外との比較も試みる.
略歴: 1970年,東京大学大学院工学系博士課程修了,工学博士.大阪大学基礎工学部助 手,工学部教授,東京大学大学院工学系研究科,同大学院新領 域創成科学研究 科教授などを経て,01年より理化学研究所生物制御システム研究室チームリー ダ.07年より理研BSI/トヨタ連携センター 長,『制御工学の考え方』等著書, 論文多数.横断型基幹科学技術研究団体連合会長.2009年10月より現職.IFAC, IEEEフェロー, SICE論文賞,著述賞,IEEECSSよりGeorge Axelby Award,IFAC よりPaer Prize Award,Giorgio Quazza Medalなど受賞多数.
司会: 山田功 氏(群馬大学)