福祉工学部会見聞録

 

200579() 13:3017:00、福祉工学部会見学会セミナーにて

場所 神奈川工科大学 福祉システム工学科

URL http://www.kanagawa-it.ac.jp/~l4001/university/welfare/index.html

山本圭治郎研究室(パワーアシストスーツの実演)

西原主計研究室(タッチパネルと物品情報取得に関する問題解決など)

 河原崎徳之研究室(手の形状を指令として動作するマニピュレータの実演など)

 兵頭和人研究室(腱駆動式リハビリ装置の実演など)

 

2005年度第2回福祉工学部会見学会セミナーを開催しました。当日は様々な立場の方々(厚労省、経産省の福祉行政に関わる方、福祉用具のインタフェース機器などの開発に関わる方、ロボット開発メーカー・ロボットに燃える学生さん、ポリオの会の方など)が集まり、9名で見学しました。河原崎先生の案内で、西原研究室から見学を行いました。

西原主計(にしはら かずえ)研究室 http://nsh.we.kanagawa-it.ac.jp/~www-nsh/light/light.html

 

ユニバーサルデザイン関連の研究で、触覚センサ付きATMのボタンの説明を受けている場面。左図の右端の白ワイシャツのネクタイをしている方が西原主計先生。説明しているのは吉留忠史先生。ボタンを半押しすると、そのボタンの意味が音声で説明され、視覚障害者にも何のボタンかわかります。他にICタグを用いた視覚障害者支援の物品情報提示システムの実演、触覚と音を使った視覚障害者も楽しめるゲームの実演、音声指示で動くインテリジェント車いすなどの説明を受けました。

 

河原崎徳之(かわらさき のりゆき)研究室 http://kawaq.we.kanagawa-it.ac.jp/~nori/index.html

 

左のネクタイを締めている方が、河原崎先生。MI-RO(写真左)を音声で操作する実演。手ぶりで、ロボットに把持する位置を指示し、掴ませる実演(写真右)。ビデオカメラを搭載した4足歩行ロボットの遠隔操作を行い、操作者が頭を向けるのと同様にビデオカメラが動き、見ている景色を装着型のメガネに表示する実演。音声入力でテレビのチャンネルを操作する実演。手首を動かすと、その動作にあわせて遠隔操作される手首部のシステムの実演などをご紹介していただきました。

 

兵頭和人(ひょうどう かずひと)研究室

 

説明をしている方が、兵頭先生。人のそばで動くロボットなどの関節を柔らかくするため、考案した機械的に柔らかくしたり硬くしたりできる関節の説明とそれを応用した駆動腱式装置の実演。グラフィカルにロボットの回路設計が簡単につくれるロボットプログラム開発用ソフトウエアの紹介。

 

 

山本圭治郎(やまもと けいじろう)研究室 http://www.we.kanagawa-it.ac.jp/~yamamoto_lab/pas/pas.htm

 

左の写真で右側の方が山本先生。パワースーツの装着者は石井さん。新型パワースーツをご紹介いただける予定でしたが、直前の米国の展示のあと出国で長く止められ間に合いませんでした。そこで、以前のタイプを実演し、新型タイプの説明も合わせてしてくださいました。新型タイプの背中のコントローラボックスは半分位の大きさで、パワーアシストの能力もアップし、ポータブル電池で動き、1人で装着しやすくなっているそうです。そのため自重は増加しましたが、もともと自重はパワースーツ自身が支えています。力は半分を補うようにしてあり、50kgの人を持ち上げる際は25kgの人を持ち上げるのと同等になります。パワースーツの研究16年目に入り、多くの方々からの要望があり、開発経緯、今後の課題、開発中の機器などを丁寧に説明していただきました。

 

一度に4研究室、しかも土曜日にもかかわらず、実演を交え、熱心に多くの機器をわかりやすくご紹介いただきました。福祉関連は様々な課題があり、なかなか簡単に解決できないものも多々ありますが、ユニバーサルデザインの研究やロボット技術が、福祉に貢献できる可能性や近未来を見た感じがしました。先生方のご協力に感謝すると同時に敬意を表します。

                                                                                                                (文責 小野栄一)

 

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