SICE 社団法人 計測自動制御学会
Top
新着情報
学会案内
入会案内
部門
支部
学会活動
学科行事
お知らせ
学会から
求人情報
助成金・研究公募等
事務局から
会誌・論文誌・出版物
リンク
その他
サイトマップ お問い合わせ
 お知らせ
 会告 : 2000年度計測自動制御学会学会賞「功績賞」の贈呈

   功績賞は,本会が関与する分野において,科学技術の進歩,産業の発展,もしくは,教育・啓蒙に関し,永年にわたって特別な功労があり,その功績がとくに顕著な者の生涯的偉業を讚えるものである.

なかだ  たかし
中 田   孝 君(名誉会員)1908年3月8日生
功績
1. 国内外における制御工学分野での先駆的研究・教育活動
2. 自動制御,歯車工学などの研究成果を通じての産業界への貢献
3. 本会創設の中心的役割を果し,さらに本学会5期会長として,また評議員として(昭和38年度〜41年度,45年度〜現在)長期間学会の運営に貢献.
略歴
1928年 3月 東京高等工業学校機械科卒業
1932年 3月 東京工業大学機械工学科卒業
1932年 4月 東京工業大学助手(機械工学科実験室)
1939年12月 東京工業大学助教授(精密機械研究所)
1944年 5月 東京工業大学教授(精密機械研究所)
1961年 4月 東京工業大学精密工学研究所所長(1964年3月まで)
1966年 4月 東京工業大学精密工学研究所所長(1968年3月まで)
1968年 4月 東京工業大学定年退官,名誉教授
1968年 4月 東京精密測器(株)常務取締役
1968年 9月 東京精密測器(株)代表取締役
1982年 4月 東京精密測器(株)取締役会長
1986年 4月 豊橋工倶西島鉄工所顧問
1988年12月 日本学士院会員
この間
1958年 9月 Purdue大学フルブライト客員教授(1年間)
1962年 4月 精機学会会長(1964年3月まで)
1963年 4月 日本機械学会会長(1964年4月まで)
1964年 9月 Georgia工科大学NSF客員教授(1年間)
1966年 3月 国際自動制御学会(IFAC)理事(1970年まで)
1967年 4月 計測自動制御学会会長(1969年3月まで)
受賞歴
受賞関係 1953年 5月 日本学士院賞
     1959年 4月 日本機械学会論文賞
     1964年 4月 日本機械学会論文賞
     1964年 4月 大河内記念技術賞
     1964年10月 東京都知事賞
     1978年 4月 勲三等旭日中授賞
     1983年 6月 工作機械技術振興論文賞
     2000年 7月 計測自動制御学会学会賞「功績賞」
     2000年 8月 勲二等瑞宝章
名  誉 1973年 2月 計測自動制御学会名誉会員
     1973年 3月 精機学会(現精密工学会)名誉会員
     1973年 4月 日本機械学会名誉員

2000年8月15日 御逝去
ご連絡先
〒158-0091 東京都世田谷区中町1-19-24
中田 花子様(奥様)

名誉会員 元会長 中田 孝先生への
2000年度計測自動制御学会学会賞「功績賞」贈呈報告と先生の逝去を悼む

 本年7月27日,飯塚における学術講演会において,中田 孝先生へ本会の功績賞が贈呈されました.功績賞は,本会が関与する分野において,科学技術の進歩,産業の発展,もしくは,教育・啓蒙に関し,永年にわたって特別な功労があり,その功績がとくに顕著な者の生涯的偉業を讃えるためのものです.中田先生の場合,特に以下の功績が顕著であると認められたのです.
 1. 国内外における制御工学分野での先駆的研究および教育活動.
 2. 自動制御,歯車工学などの研究成果を通じての産業界への貢献.
 3. 本会創設の中心的役割を果し,さらに本学会5期会長(昭和42,43年度)として,また評議員(昭和38〜41年度,45年度〜現在)として,長期間学会の運営に貢献.
 しかし残念ながら,春先から体調を崩された先生は,功績賞贈呈式に出席し,受賞講演をされることはありませんでした.そして,8月15日,奥様はじめご家族の見守るなか,永遠の旅へと立たれました.
 今年3月,体調を崩された先生を見舞ったときは,枕元に本会会誌を置き,まだまだ勉強するぞというまことに先生らしいご様子で,安心して帰路についたものでした.しかし,人の世の常とはいいながら,ここに先生を送る言葉を綴らなければならないということは,なんと悲しいことでありましょうか.
 中田 孝先生は,歯車工学および自動制御の分野での数多くの先駆的研究をされています.大学人として,常にご自身の研究と産業との関わりを見据え,社会への貢献を視野に入れた研究は,現在の工作機械,産業用ロボット,自動車などの多くの産業の礎となっています.講義では,見事なイラストを,まるで下図がそこにあるように板書されたものです.工学解析という,従来の分類にない新しい名称での講義を開設されたのも先生でした.
 昭和43年,大学を定年退官後は,民間企業の経営者として,大変なご苦労があったと伺っております.そのような時期でも,先生の研究への意欲いささかも衰えず,論文20編,専門書1冊,随筆集2冊を執筆出版されました.これこそ,本会功績賞の贈賞理由の,生涯的偉業の証のひとつであるといえましょう.
 多彩なご趣味に触れずに先生の偉大さを語ることはできません.フルート,オーディオ,コントラクトブリッジ,スケッチ,模型,飛行機,自動車など,枚挙にいとまがありません.このなかのどんな話題でも,いつのまにか数学や物理の講義になり,お得意の数式やスケッチが展開されたものでした.先生にとって,趣味も仕事も渾然一体としたものであったのだと思います.
 ご自身の信念を貫く頑固さと,物事をあるがままに観ることができる柔軟さを合せ持った先生にお会いでき,ご指導いただいた幸せを感謝し,先生のご冥福を心から念じ,お別れの言葉といたします.
東京工業大学精密工学研究所 下河辺 明
copyright © 2003 (社)計測自動制御学会