第40回大会記念 ミニシンポジウム
「センシングのこれからの10年 ~センシングフォーラム50周年に向けて~」
9月1日(金) 13時30分~15時10分
司会 木本 晃 准教授(佐賀大学)

 センシングフォーラム40周年を記念し、センシングの今後について考えるミニシンポジウムを開催します。はじめに、センシング分野を牽引してこられた4名の先生方に、これまでの研究活動をご紹介いただきながら、センシングの考え方や、今後注目される計測・センシング技術、そしてSICEやセンシングフォーラムの役割、活性化などについてご講演いただきます。その後、本シンポジウム参加者皆様で、センシングの今後について議論し、方向性を共有したいと思います。
 

馬場 充 先生(茨城大学 名誉教授)
3次元画像計測の動向と実産業への応用の現状

3次元画像計測は光学的な方法を用いて、物体の形状や3次元環境を復元することを目的としている。インダストリー4.0の出現で3次元計測の重要性とその市場規模は益々大きくなるといわれており、2030年には全世界の3D計測市場の収益は196.5億米ドルに達すると予測されている。それとともに、近年の3次元画像計測の学術的成果も目を見張るものがある。しかし、国内の企業に限ってみれば、それらの学術的成果の実産業への適用が浸透していないように思われる。現に、本年6月に開催されたSICEも協賛している画像センシング展においてもその感を強くしている
本講演では、3次元計測の実応用に関して、現場で直面している課題を紹介し、どのような解決手段が学術的な面から提案されているのか、そして、それが産業界にどのように普及しているのか、著者の研究分野と現在行っている業務の範囲に限った話であるが、紹介する。その上で、学会としてどのよう対応したらいいのか考えていく。


本多 敏 先生(慶應義塾大学 名誉教授)
はかることはすべてのもと

「はかる(計、測、量、図、謀、諮、秤)」ことはすべてのもと。あいてをしりたくて「はかる」もよし、よのため人のため「はかる」もよし、「はかり」かたそのものを「はかる」もよし。なにをするのもすきかってだが「うで」と「あたま」なしではただのひとりよがり。うまく「はから」れたことにはちゃんとそれなりの「わけ」がある。すこしでも「わけ」がわかるよう「うで」と「あたま」を磨いてほしい。
これは、1990年に慶應大学理工学部に着任し助教授として研究室を運営するにあたって学科パンフレットに記載した研究室紹介文である。このマインドで、現在まで教育・研究に携わってきているが、その間、SICEの流体計測部会・微小流計測研究会、生体・生理シンポジウム、ネットワークセンシングシステム部会(現スマートセンシングシステム部会)、計測における逆問題研究会などで活動を行ってきた。この活動概要を、SICE計測部門を筆者から見た活動として簡単に紹介し、パネル討論会でのトピック
 ・今後注目される計測・センシングについて
 ・AIとの関わり方
 ・学生・若手研究者への助言
 ・計測部門、SFの活性化に向けて
をのべるとともに、計測部門、SFの活性化に向けて今後の十年について私見を述べたい。


安藤 繁 先生(東京大学 名誉教授)
五官はセンサとセンシングの最高の手本で目標である

聴覚系の知覚と情報処理に関する発表者のこれまでの研究内容を例とし,センサの設計目標・機構・機能,認識と理解につながる信号処理の方法論と理論的基礎,センサとセンシングの一体化の重要性について論じる。


小林 彬 先生(東京工業大学 名誉教授)
センシング技術フロンティアの開拓と5カ条の大目標

IoT、Society5.0に注目が集まる中、基盤技術としてのセンシング技術への期待には極めて大きいものがある。これに伴い、センシング技術が新しい分野に展開されようとしているが、想像を巡らせば未開拓で膨大なセンシングニーズの存在が考えられる。そこには計測すべき多様なセンシング対象があり、それらをどのようの計測すべきかは重要な課題である。AI的な手法も動員しての量概念確立のための手法整備と言った新しい学問領域でとも言える。若い人たちにも大いに参加してもらいたいものである。他方、個人的にセンシング課題として5カ条の大目標を考えて来たので、議論の手掛かりになればと参考に供したい。

 

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