SICE2004 OS 計測制御エンジニア


ここはSICE2004(8月4日-6日北海道工業大学)で開催されたオーガナイズドセッション(OS):計測制御エンジニアの発表内容を紹介する
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セッション名:「Activities of SICE Instrument and Control Engineers」
OS座長:筑波大学 青島伸治先生

  1. 江木紀彦,"New bio-process control scheme: Decentralize Autonomous Control System"≪論文≫ ≪発表資料≫
  2. 平川正則,"Engineering for integration of DCSs"≪論文≫
  3. 山本広樹,"Acceleration Measurement with a Trial On-board Recorder"≪論文≫
  4. 森 芳立,"Retention control system for the wet-end section in a paper machine"≪論文≫ ≪発表資料≫
  5. 佐藤善則彦,"Measurement and Control System for Midstream plant"≪論文≫ ≪発表資料≫

SICE Annual Conference 2004 in Sapporo での計測制御エンジニア オーガナイズド・セッションの報告

8月4日〜6日,北海道札幌市の郊外,手稲にある北海道工業大学のキャンパスで 「SICE:Annual Conference 2004」が開催されました.そして,最終日,今年も 「SICE計測制御エンジニア」のためのOS(オーガナイズド・セッション)が計装技術交流部会, 計測制御エンジニアWG主催で行なわれました.今年の札幌の夏は暑かったですが北海道の大自然の中, 冷房設備や立派なIT設備の整った新しくきれいな教室で快適に発表が進行しました. OSのセッション名称は,「計測制御エンジニアの活動状況 (Activities of SICE Instrument and Control Engineers)」で, 座長の筑波大学(機能工学系):青島伸治教授の司会で下記の5件の発表(各20分)が順番に行なわれ 30名ほどの聴講者が集まりました.発表は全て英語ということで質疑応答面での活気には少し乏しかった 反省がありましたが,センシング装置の開発から巨大なプラントの制御に至る広範なテーマに渡り, いずれも現実の問題に対して目的意識を持って取組まれている技術内容であるため非常に興味深い 発表ばかりでした.


(講演会会場風景)

"江木紀彦氏 帝京平成大学(情報学部教授)

「New bio-process control scheme: Decentralize Autonomous Control System」:コントロールの精度がそれ程に要求されない制御系において,操業者の人手や負荷を低減するのに有効な「Happiness Index」という評価値を用いた自律分散コントロール・システムについての発表.シミュレーションでバイオプラントなどへの適用を評価しています.

"平川正則氏 横河電機(株)

「Engineering for integration of DCSs」:実稼動中のプラントでのDCSシステム統合化作業の際のエンジニアリング方法について.DCSの通信バスの負荷,操作区分,操作監視,安全性などのエンジニアリング環境やシステム資源に注意していく必要があるなど具体的な発表.

"山本広樹氏 科学警察研究所

「Acceleration Measurement with a Trial On-board Recorder」:自動車の走行軌跡を再現できるようにするオンボードの交通事故レコーダー開発に当たっての計測実験についての研究発表.再現性を向上するために,複素スペクトル解析に基づいて修正ファクターを見出している.

"森 芳立氏 王子製紙(株)

「Retention control system for the wet-end section in a paper machine」:抄紙機のウェットパートセクションで,特殊なオンライン濃度センサーを用いて白水濃度を一定に保つようにPI制御でコントロールしていく原料リテンション制御についての発表.既存のBM計/紙中灰分制御との強い干渉を回避するために非干渉制御を適用した.

"佐藤善則氏(計測制御エンジニア)日揮(株)

「Measurement and Control System for Midstream plant」:原油を生産する油井の上中流工程に設置される計測制御システムでは下工程のシステムと異なって特殊でフレキシビリティーのある制御システムや長距離のデータ通信機能が必要とされる.原油パイプラインに設置した特殊計測システム,高圧ガス再注入プロセスに設置された複雑なプラントのコントロールについての発表.

この企画は昨年の福井大会から始まりましたが,目的は,主に企業に勤務する 計測制御エンジニア達の日頃の成果発表と,年一回,夏に一堂に集まって相互に情報交換をしたり, 新しい技術情報に触れて活性化を計ると共に懇親を深めることに置いています. 特に,企業に勤務している計測制御エンジニアは色々な業務を忙しく進めていく中で, 学会でも発表していくことはなかなか大変ではあるのですが,このOSでは, 理論に偏重した内容よりも,むしろ,実際の業務の中で成果を上げた制御システム, 計測,システム構築とかの内容を歓迎して間口を広くしています.また,今年の発表者の内, 「SICE計測制御エンジニア」の有資格者は一名でしたが発表参加はどなたでもOKとしております.

(計装技術交流部会:王子製紙(株) 森芳立)

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